No239 過去の受賞企業から ~第11回日本でいちばん大切にしたい会社大賞より①~
今週は第11回の日本でいちばん大切にしたい会社大賞受賞企業28社の中からホームページが印象に残った株式会社ファンケルさんをご紹介致します。
株式会社ファンケル(神奈川県横浜市)は1981年、池森賢二氏(現;名誉相談役ファウンダー)が42歳の時に創業しました。化粧品関連と栄養補助食品関連が主な事業で、現在の従業員数は900名ほどの規模( 2021年3月31日現在)です。ホームページは全体的に見やすくすっきりしています。
●創業者メッセージ
創業当時は化粧品公害が大きな社会問題になっていたといい、その原因が化粧品の過剰使用と、防腐剤などの添加物であることを突き止め、化粧品のシンプル使用と無添加を掲げ、この世界に挑んだとあります。
“化粧品業界の常識を敵に回した”とありますので同社の歴史は挑戦の連続だったと想像できます。
“日本は先進国でありながら、生活習慣病の患者が多く、このため日本は医療費が異常に高い。その原因の多くは食生活にあることを知り、化粧品業界の次は健康食品の世界に参戦しました。”
池森賢二氏の挑戦にこのような背景があったとは知りませんでした。
小さな会社が大きな会社に挑むには、研究開発力が最も重要と考え、創業間もないころから研究開発に力を入れており、今では研究員215名(うち博士号取得者24名)、外国特許約150件、国内特許約460件を取得するまでの規模になっています。
●創業理念と経営理念
創業理念
“正義感を持って
世の中の「不」を解消しよう”
不安・不便・不満・・・「不」のつく言葉を世の中からなくしたい。
これがファンケル創業時からの変わらぬ思いです。
経営理念
「もっと何かできるはず」
「人間大好き企業」のファンケルグループは、
世の中の「不」の解消を目指し、
安心・安全・やさしさを追求します。
常にお客様の視点に立ち、
「お客様に喜んでいただくこと」をすべての基準とします。
●お客様の声
“会社の成長は、お客様にどのくらい喜んでいただけたかに正比例する”という創業者の言葉があるように、ファンケルでは創業以来、お客様第一主義を貫いています。
その一環として『お客様の目委員会』、『お客様のお声を反映するしくみ』があり、ホームページではその紹介がされています。
年間のお客様の声は約37万件(2021年度実績)あるといい、経営幹部が参加する会議において議論され、社内の各部門においてその利活用がされています。
●最後に
1999年に知的障がい者の会社「株式会社ファンケルスマイル」(特例子会社)を設立し、今では100名を超える社員が元気に働いています。
2019年のキリンホールディングス株式会社と資本業務提携されていますので、今後の活動がどのように変化していくのか気になるところです。
***補足***
この投稿では「法政大学大学院 政策創造研究科 坂本研究室」や「人を大切にする経営学会」での経験をもとに毎週火曜日にお届けしております。個人的な認識をもとにした投稿になりますので、間違いや誤解をまねく表現等あった場合はご容赦いただければ幸いです。(人を大切にする経営学会会員;桝谷光洋)
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