No257 過去の受賞企業から ~第12回日本でいちばん大切にしたい会社大賞より⑪~
今週は第12回の日本でいちばん大切にしたい会社大賞受賞企業28社の中から印象に残った村田ボーリング技研株式会社さんのホームページをご紹介致します。
村田ボーリング技研株式会社(静岡県静岡市)の創業は昭和25年、現在の従業員数は約90名、主な事業は溶射加工です。特に独自の技術開発で業界でもトップクラスの溶射皮膜を提供し、最新設備とミクロ単位の超精度にこだわる現代の「匠」として、様々なニーズに対応しています。
●事業の内容
溶射加工といっても一般の人にはわかりにくいと思いますが、こんな説明があります。
“大量ライン生産ではなく、一つ一つの部品に、持てる技術と真心をこめ、手作業で機械をまわして仕上げるのが村田流。現在は、省資源社会を実現する技術のひとつ「表面改質技術」に特化。弊社が誇る「溶射加工」や「セラミックレーザー彫刻加工」をはじめとする特殊技術を通して、航空宇宙産業からローテク産業に至るまで、多種多様な部品加工を行っています”
また採用のページにはこのような説明があり、溶射の事業を知るためにとても参考になりました。
“弊社の技術は工場のラインの様に、機械が勝手に大量生産してくれる訳ではなく、一品一品がオーダーメイドとなりますので、溶射の機械を道具として使いこなす職人が必要となります。新しい設備の導入をする一方で、従来の職人の技術レベルの向上にも積極的に取り組み続け、その結果として、地熱発電施設や天文衛星等、過酷な条件下での信頼性が求められるものにまで、弊社の技術が導入される様になって来ています”
“弊社ではほとんどの溶射加工に対応出来るだけの技術や設備を保有しているだけでなく、研削加工等の溶射に関わる前後の工程まで自社で対応出来る為、納期や価格面でも強みを持つ事が出来ています”
“最近では、産官学との共同研究を積み重ね、常に最新技術に触れる機会が増え、ムラタの技術競争力の強化につながってきています”
●経営理念、信条、基本方針からの印象的だった内容を抜粋
理念 “我が社は、社員とその家族、そして取り巻く全ての人々の安心と幸福を実現するために、一人ひとりが品性の向上と三方良しの経営を目指し、存在感のある企業として、社会の進化発展に貢献する”
信条 “どのような環境にあっても先見性を持って取組み、会社を永続させる”
基本方針 “人をていねいに育て、一人一人を人財とする”、“経営理念を軸として、全員参加の一体化経営を推進する”
●情報が充実
社長ブログをはじめ、人事ブログ、上海村田、採用情報特設ページなど多彩な情報が掲載されています。しかも情報が多いだけではなく、動画や写真、社員さん言葉、グラフなど表現方法が多様でわかりやすい内容になっています。
どんな会社か、どんな仕事か、同社が何をめざしているのか、知りたい情報が必ずどこかに記載されていて、同社の社内にいるような気持ちになります。
●福利厚生の種類が多く親しみを持てました
「休日関連」では6種類、「各種手当・報奨金等」では21種類あり、実際に記載されています。
「研修等」では年2回外部講師を招いた一般公開企画として『元気の出る著名な講師をお招きしての公開社員勉強会の実施』や『新入社員モラロジー研修受講』、『内定者親御様向け会社説明会の実施』しています。
「その他、福祉活動・社外活動等」もたくさんあり興味深い内容です。
●最後に
同社では、給料・賞与明細は社長自ら手渡しし、障がい者福祉施設に点字名刺を依頼したりパンなどを購入したり、全社員と協力会社の同居家族分の防災バッグ配布と、一つひとつは派手ではありませんが、同社らしい制度がたくさんあります。
2022年には静岡県立子供病院に入院している子供たちとご家族、スタッフに喜んでもらおうとサプライズ花火を実施しています。
【制度ではなく風土】といいますが、多くの制度があるというより、同社の風土が多くの制度を生んでいるのだと感じます。
***補足***
この投稿では「法政大学大学院 政策創造研究科 坂本研究室」や「人を大切にする経営学会」での経験をもとに毎週火曜日にお届けしております。個人的な認識をもとにした投稿になりますので、間違いや誤解をまねく表現等あった場合はご容赦いただければ幸いです。(人を大切にする経営学会会員;桝谷光洋)
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