第13回日本でいちばん大切にしたい会社大賞ホームページの紹介③
今週は第13回の日本でいちばん大切にしたい会社大賞を受賞した26団体の中から印象に残った株式会社陽和さんのホームページをご紹介致します。
http://www.yohwa.co.jp/
株式会社陽和(福岡県北九州市)さんの創業は1954年、社員数は117名、主な事業はフッ素樹脂をメインとしたスーパーエンジニアリングプラスチックに特化した部品加工です。
●歴史が語る信頼
業界を知らなくても株式会社陽和さんの事業や変遷をわかりやすく知ることができます。
①常に変化を求めて ― フッ素樹脂との出会い
1954年、現北九州市小倉北区にて、北九州近郊の炭鉱向けに輸入品の水中ポンプの販売、修理業で起業。
ポンプの修理に必要なパッキンなどの製造を始め、1965年に当時としては非常に特殊なフッ素樹脂に出会い、フッ素樹脂部品の生産を始め、その生産量も高度成長経済と共に飛躍的に増加
1995年急激な円高の進行により、安い海外製品が流入し始めたのを契機に顧客の生産拠点の海外移転などが進み、少品種大量生産から転換を図る
②より高品質、高機能を求め ー フッ素樹脂への特化
Windows95の発売後、IT産業の急速な発展に伴い、半導体製造装置分野への進出、厳しいスペックと品質管理をクリアしてフッ素樹脂の加工技術を深化させ、生産量は急激に増大し、少品種大量生産から、少量多品種でも高付加価値製品の生産へと転換
③新たなる挑戦 – フッ素樹脂のコア技術の融合
コア技術であるフッ素樹脂の「成形」「溶着」「精密切削」を深化・融合させて、2011年に国産初の体内植込み型補助人工心臓「EVAHEART」の基幹部品として採用され医療分野へ進出
社会貢献を理念に掲げる当社にとって、医療機器を通じ世界の人々の健康に貢献できることを喜びとした新たなフィールドが加わった
④フッ素樹脂と共に100年企業を目指して~
2007年に本社工場を新築し全面移転し、2019年には二階建工場棟の増築し先端設備機器の充実を図った。さらに地球環境や従業員の働きやすさにも配慮した工場環境を整備。
創業65周年を迎えた2019年からは100年企業を目指すべく従業員の心をひとつにするためのビジョンを掲げる
●社名の由来
体表者メッセージには、代表取締役社長;越出理隆氏のこんな言葉があります。
“陽和は「明るい人の和を広げ、会社を発展させていきたい」という創業者の願いを社名にした会社です。その精神は脈々と受け継がれ、2019年に創業65周年を迎えたことを契機とし、100年企業をめざし持続的に発展して行けるように、あらためて企業理念として明文化いたしました。人を基軸とし「人の和」を大切にした企業風土による強い一体感が、フッ素樹脂に特化したエンジニアリングプラスチック製品の製造という先端の事業を支えています。”
●障がい者雇用
重度障がい者雇用企業のサンアクアTOTO様の工場見学会や、特別支援学校の成果発表会への参加等により、障がい者雇用への理解を深める活動を行っています。
2014年に開催された特別支援学校合同成果発表会では、障がいのある生徒さんの「就職して一人で生活するのが夢」という切実な願いを直接聞いたことがきっかけとなり、現在は、地元の特別支援学校より企業実習のステップを経て、定期的な新卒の採用を行ない、障がい者雇用率は4.34%になっています(2023年3月現在)。
●最後に
企業理念は「明るい人の和を大切にし、社会に貢献する」です。
創業者の想いを今も理念として大切にし続ける姿勢は素晴らしいですし、70年近い同社の歴史における一つひとつの積み重ねや行いの蓄積は何ものにも代えられないのだと感じます。
補足
この投稿では「法政大学大学院 政策創造研究科 坂本研究室」や「人を大切にする経営学会」での経験をもとに毎週火曜日にお届けしております。個人的な認識をもとにした投稿になりますので、間違いや誤解をまねく表現等あった場合はご容赦いただければ幸いです。(人を大切にする経営学会会員;桝谷光洋)
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