No265 過去の受賞企業から ~第13回日本でいちばん大切にしたい会社大賞より④~

今週は第13回の日本でいちばん大切にしたい会社大賞を受賞した26団体の中から印象に残った株式会社長岡塗装店のホームページをご紹介致します。

 https://www.nagaoka-toso.co.jp/

株式会社長岡塗装店(島根県松江市)さんの創業は昭和13年、社員数は27名、事業は塗装業です。

●社長メッセージ

ホームページにどんな社長メッセージがあるかはとても重要です。

理念や経営方針、社是などもありますが、何よりも経営者の言葉はその会社そのものといえるのではないでしょうか。

株式会社長岡塗装店さんの社長メッセージもとても素晴らしいと感じました。その一部です。

当社では社員一人ひとりの幸せの延長線上にこそ必ず会社の繁栄があると考え、ボランティア活動やワーク・ライフ・バランスの実現に力を入れ、業務を通じて社会に貢献できる人財を育成し、持てる力を最大限に発揮し、互いに思いやりのある職場風土を目指しております。

●銅像塗装

同社は、傷んでしまった銅像を特殊な塗装技術により鮮やかに復元しています。

銅像は経年変化や排ガス等で劣化することは免れません。建立したときの状態を保ち続けることはできません。

そこで定期的な塗装が必要になっています。

通常“銅像が経年変化により緑青がふくこと自体は「銅という素材の味わい」となりますが、形状が複雑な銅像の場合は緑青がマダラに出るため、綺麗に色変わりする事はない

同社の塗料の製造方法は“遠い昔、銅像制作に携わっておられた方が廃業するに際して、当社の先代へ引き継がれたもの”だそうです。

そしてホームページでは、同社がボランティアとして銅像塗装を申し出た事例がビフォーアフターの写真付き紹介されています。

例;出雲大社(島根県出雲市)の境内・勢溜(せいだまり)に建つ第80代宮司で出雲大社教初代管長の千家尊福公の銅像(高さ約2メートル)

昭和38年の建立から半世紀が経過し、経年劣化が進んでいたところ同社が奉仕を申し出ています。

例;島根県庁(島根県松江市)の敷地内に建つ岸清一像

岸清一氏は弁護士・国際弁護士として活躍。1932年のロスアンジェルス五輪に自費で選手団を派遣するなどアマチュアスポーツの発展に尽力した「近代スポーツの父」

かつては島根県の予算で再塗装工事が行われていましたが、予算削減を受けてその塗装工事は13年間も中断していたため同社がボランティアとして塗装しています。

●資格免許の数

ホームページには資格名と自社の取得人数が表に記載されています。その種類と取得人数の多さに驚きました。

43種類で延べ278名が資格取得者です。社員数27名(役員含めると36名)の規模です。

例;監理技術者資格者、建築施工管理技士、土木施工管理技士、塗装技能士(建築塗装)、塗装技能士(鋼橋塗装)、左官技能士、強化プラスチック成形技能士、熱絶縁施工、建築仕上診断技術者 、特別管理産業廃棄物管理責任者、特定化学物質等作業主任者技能、酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者など。

●最後に

社長メッセージには、

時代をしっかりと見極め、一歩先を見つめながら、塗装を通じてあらゆる分野の研究を重ね、社員とともに技術の研鑽に努め、最善の道を求め邁進してまいります。

とあります。

資格取得はその一部に過ぎないと理解しつつも、株式会社長岡塗装店さんの人を大切にする経営がホームページから伝わってきました。

***補足***

この投稿では「法政大学大学院 政策創造研究科 坂本研究室」や「人を大切にする経営学会」での経験をもとに毎週火曜日にお届けしております。個人的な認識をもとにした投稿になりますので、間違いや誤解をまねく表現等あった場合はご容赦いただければ幸いです。(人を大切にする経営学会会員;桝谷光洋)

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