塾で学んだ普遍的な経営のあり方

経営人財塾第5期生の長谷川です。当社は、東京、神奈川など関東地区を中心に、主に18歳以降の知的障がいのある青年に対して学びの機会の提供や就労支援などを行っております。

会社を設立して5年、障がい者や保護者のご期待にできる限り応えていきたいとの思いから事業拡大を最優先に進めてまいりました。そのような中、社員は次第に疲れ、目標を見失う姿を目の当たりにしました。私は、経営の舵取りの難しさを痛感する中、経営のあり方について学びたいと思い入塾しました。

塾では、毎月、素晴らしい会社経営をされている方々の講義を拝聴したり、塾生仲間と共に様々な会社の調査や研究、会社訪問を行いました。その数は年間で100社近くに及びます。最初はそれぞれの会社の素晴らしさに感動していましたが、次第に素晴らしい会社には共通点があることが見えてきて、それぞれの「点」がつながり「線」となっていきました。さらに、それらのいくつもの「線」が、共通の経営観や人間観として重なり合い「面」となり普遍的な経営のあり方や経営者としての生き方が見えてきました。

そこで気づいたことは、人を大切にする経営を志向するのであれば、自分自身が日々の日常生活の中で、家族や知人、社員をはじめ、出会ったすべての人を大切にする気持ちがなければいけないということでした。私の62歳の誕生日に「産んでくれてありがとう」という思いを込めて91歳の母の足を洗わせてもらったとき、母が「気持ちいい、幸せ。」と満面の笑顔で言ってくれた姿は忘れられません。塾での学びがあったからこその心温まる体験でした。

私は、塾での学びを自社の経営に活かしていきました。まず会社の経営理念に「私たちは、人本主義経営を通じて全社員の物心両面の幸せを実現します。」という文言を加えました。福利厚生では、社員、社員の配偶者、子どもさんに手書きのメッセージカードを添えて誕生日プレゼントを贈呈したり、資格取得報奨金制度やクラブ活動助成金制度などを導入しました。また、社員間のコミュニケーションを深めるために、12の拠点をオンラインでつないでの週1回の全社朝礼、月1回の社員総会の取り組みを始めました。さらに会社負担での拠点ごとの食事会なども導入しました。これらの取り組みは、すべて会社の主役は社員であり、社員こそ会社の宝という思いをカタチにしたものです。

当社は、このようにさまざまな取り組みを導入しましたが、最も大切なことは、制度や仕組みの導入といった「やり方」ではなく、すべての社員が一体感を感じられ、エンゲージメントの高い組織風土を作るという「あり方」であるということも塾で学んできました。風土を築くのは一朝一夕でできるものではなく、日々の積み重ねが大切ですので時間が必要です。塾での学びを胸に社員と共に全社一丸となって、社員が誇りに思える真に素晴らしい会社を創りたいと思います。

人財塾5期生 株式会社ゆたかカレッジ 代表取締役 長谷川正人

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