No278 過去の受賞企業から ~第13回日本でいちばん大切にしたい会社大賞よ⑰~

今週は第13回の日本でいちばん大切にしたい会社大賞を受賞した26団体の中から印象に残った特定非営利活動法人六星さんのホームページをご紹介致します。
 http://npo6seiwith.sakura.ne.jp/

特定非営利活動法人六星(静岡浜松市)は1996年(平成8年)に全国初の視覚障害者中心の小規模作業所としてスタート、職員が18名在籍し代表理事は斯波千秋氏です。

●法人概要
1996年(平成8年)に全国初の視覚障害者中心の小規模作業所としてスタート。白杖づくり、点字印刷、小物づくりなどの作業を通して、視覚障害者が社会で安心して楽しく生活できる様な技術と精神力を身につける「視覚障害者リハビリテーション」を実践しています。
現在浜松市内3か所において視覚障害の方々が53名が在籍しています。
視覚障害というとごく一部の方々と思いがちかもしれませんが、「人生の途中で視覚障害になった方」、「他の障害を併せ持つ方」、「高齢の視覚障害の方」とさまざまです。いつ自分自身が同じ視覚障害を持つことになるか、決して他人事ではありません。
法人名「六星」は浜松出身の日本点字の父、石川倉次氏が揮毫(きごう)した「六星照道」から由来しています。「六星照道」とは、「六つの星(点字)が視覚障害者の生きる道を照らす」、つまり「点字が視覚障害者に希望をもたらす」という意味です

●代表理事あいさつ
斯波理事長の本業は視覚障害者の使う道具、白い杖やゲームや生活用具の開発と全国への普及です。ホームページには45年間やっていると記載されています。(浜松 盲人福祉研究会)
全国的な活動をする中でいろいろな視覚障害のある人達の生きざまに出逢いました。鍼灸マッサージの技術で自活し、福祉活動のリーダーとして活躍する人達。大学まで出て素晴らしい能力・技術を身につけながら就職できず、その力を発揮できずくすぶっている人達。見えないだけでなく他の障害を併せ持つため行き場が無く、家や施設に閉じ込められ一生を過ごす人達。そして人生の途中で視力を失い、自信を失い、職と収入を失い、人生の希望まで失っている人達。視覚障害者の音楽家・弁護士・教員などもいますが、例外的なのです。
平成8年に行き場の無い人達の目的の場として作業所ウイズ・WITHを設立、20年の時を経て現在は半田・蜆塚両施設で約50人の障害のある人達が仕事や訓練を楽しくやっています。また「視覚障害リハビリテーション」の提供施設として、見えなくなった方々に視力を使わずに歩行・家事などの日常動作ができる様にする訓練や練習を実施しています。

●最後に
斯波理事長は、六星さんを設立する以前から白杖づくりをしています。白杖づくりを始めたきっかけ・理由がありました。
斯波千秋氏の父である穏(やすし)氏が10代の時に知り合った本田宗一郎氏との出会いがきっかけです。まだホンダ創業前の時期ではないかと思います。ある時、本田宗一郎氏と仕事で泊まった旅館であんまさんを呼んだ際に「私たちは竹の長い棒を杖代わりにしているけれど折りたためない」と聞いたことがきっかけで実際に折りたためる杖を作って、そのあんまさんに渡すと涙ながらに感謝されたそうです。
その体験がその後の人生になっていく、そんな歴史的な出来事が連綿と今の時代につながっていたのです。
2007年(平成19年)ミャンマーへ、2017年(平成29年)マレーシアへ白杖づくり指導訪問を行っており、六星さんは国内を超えて活動しています。

***補足***
この投稿では「法政大学大学院 政策創造研究科 坂本研究室」や「人を大切にする経営学会」での経験をもとに毎週火曜日にお届けしております。個人的な認識をもとにした投稿になりますので、間違いや誤解をまねく表現等あった場合はご容赦いただければ幸いです。(人を大切にする経営学会会員;桝谷光洋)

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