自分自身のアンコンシャス・バイアスに気づいた日

経営人財塾第五期生の牛山啓二です。「五方良し経営ソリューション」代表として、「五方良し経営」をベースとした経営相談、中小企業の人財育成のお手伝いをさせて頂いております。

さて最近は、家のすぐ近くにある快適なカフェで仕事をすることが多くなっています。

そこで出されている自家製の大変美味しい日替わりベーグルは一個当たり160円、

プレーンベーグルは120円と値段も大変魅力的です。

コーヒーも大変美味しく、一杯300円、お酒は飲みませんが、ウィスキーは一杯

250円で提供しています。近所のカフェ、ベーグル専門店は、ここの値段の2倍近い料金で商品を売っています。

快適でくつろげて、このお値段、実はこのカフェは、ある社会福祉法人が就労継続支援B型事業部の一環として運営されているものです。

ここでは、福祉施設利用者の方が、一生懸命にオーダーを取り、3種類ある日替わりベーグルの説明を丁寧にして下さり、精算の際も、受け取ったお金の額、釣銭を大きな声で確認しながら、精算して下さいます。

利用者の方には、介助の方がついていますので、費用的には町中の一般的なカフェよりは高いはずです。

どうしてこんなに安いのか?

本来の商品の品質、店の雰囲気からしたら、2倍近くの値段でも全くおかしくない

ものを提供しています。

ここに行くたびに、経営人財塾の五期生時代に、ある福祉作業所の所長さんから伺った話を思い出します。

所長さん

「一番我々が闘っているのは、世間一般の偏見です。

福祉作業所の利用者が作るものは、ふつうの倍以上の時間を掛けて作っているかも知れません。でも、出来上がったものの品質は、世の中に出回っている商品と遜色がない、いやむしろ良いものです。でも、値段を半額にしないと買ってもらえないんです。」

この話を伺った時には、「それはひどい話ですね。世間の偏見というものが大きな壁なんですね。」と返事しましたが、しばらく経ってから、「自分も同じじゃないか!」とハッとしました。

それまで区の施設などで、福祉施設の方が作ったコーヒー、クッキーを買うたびに、「こういう所だから安く買える」と値定めをしていた私。

自分の無意識の偏見、アンコンシャス・バイアスに気が付いた瞬間でした。

私の父は、晩年はいわゆる「認知症」と言われる状態になってから肺炎で亡くなりました。

母は、施設に入ってからトイレで大腿骨を骨折してから、亡くなるまで車いす生活でした。

でも、誰も二人のことを「障がい者」とは呼びませんでした。

私自身も、突発的な死よりも、父母が歩んだ道を歩む確率の方が大きいと思います。

もし将来私自身が父母のようになった時、「障がい者」と言われたいか?

答えは「否」です。

そもそも、この言葉は大多数の人たちが、少数の人たちを呼ぶために使っている単語です。

今の世の中で、そう言われている方々は、たまたま何等かの理由で他の大多数より人生の早い段階で心身の状態がそうなっただけです。

そういう方々の立場、気持ちになってみて、もし自分がそう呼ばれたら、と考えるととても落ち着かない気持ちになります。

最近、別の就労継続支援B型施設を経営されている方とお話をする機会があったので、

私の経験、想いをお話したところ、「世間のそういう無意識の壁を崩すのが難しいのです。」と仰っていました。

横浜市にある福祉事業所として全国初のチョコレート工房「ショコラボ」のチョコレートは

私の妻がたまたまデパートで見つけて買って来てくれましたが、とても美味しく、値段もその味・品質にふさわしいものでした。

その「世間の無意識の壁」を乗り越えた好例だと思います。

これからの世の中で、多くの福祉作業所の方々が一生懸命作られているものが、本来の品質にふさわしい評価を受けることを強く願っています。

「五方良し経営」の根本は、「人を大切にすること」です。

これからも、「人を大切にすること」の本当の意味を常に考えながら、微力を尽くしていきたいと考えております。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です