背中を押してくれたある経営者の話し

新年あけましておめでとうございます。

昨年の暮れにある会社の視察に伺い、経営状況についてお話を伺ってきました。

同社は金属加工会社で2020年から2022年の3期の決算では売上高が約3億です。

ここ最近は、経常利益も10%以上を出していて、

自己資本比率も80%と堅実な会社ですが、

直近の2023年については経常利益が急激に減少していました。

そこで、その原因を聞くと材料費の高騰だというのです。

社長の話は、さらに昇給の話になり、次のように話されました。

「社員の皆も物価高で生活が苦しくなっているという悲鳴を聞きます」

「経営的には苦しい状態が続きますが、

だからこそ、今年に限っては思い切った昇給を考えている」

というのです。

そうでもしないと、新規増員を計画するどころか、

現在いる社員の確保すら危ういというのです。

私の会社も仕入れ材料の高騰やガソリン価格の減少により利益が減少しています。

昇給については同様に悩んでいた事でした。

利益が減れば昇給を抑えるという悪しき経営的思考が体中にしみついているのです。

坂本先生からお教えいただい中に、

人件費はコスト・費用ではなく、企業経営の最大の目的・使命である、

社員とその家族の命と生活を守るための原資といった評価・位置づけである。

それゆえ、コストとか費用ではなく、必要不可欠な支出、

あえていえば費用ではなく「目的」そのものという理解・認識である。

それゆえ、その支出を抑えるべきというよりは、

その支払額は、社会常識から見て適正・妥当な支払いが常に求められる。

材料費が上がったから利益が減少した。

だから利益を確保するために人件費を抑える。この誤った経営思考。

人件費を調整弁のようにしてはいけないと教わったのに

切羽詰まると誤った判断をするところだった。我ながら恥ずかしい。

最近、お会いした社長さんからは、人が集まらないという話をお聞きします。

「人がいない」、「募集しても集まらない」、

「入社してもすぐ辞めてしまう」という話です。

挙句の果ては、「今の人は仕方がないね」で終わってしまいます。

人の働き方も多様化しているのかもしれませんが、

日本全体が人口減少社会に入っているのですから、

今、人が集まらない状態であれば、今後さらに難しくなるのは必至です。

それも今はほんの入り口です。

当社も2月は決算月を迎え、

経営計画発表会で、昇給、賞与の具体的な発表をしなければなりません。

今回、企業訪問をさせていただいた、

私は、ある社長の言葉に背中を押されました。

一昨日、幹部社員に、来期は昇給に加えて、

ここ30年間おこなっていなかった大幅なベースアップを行うと発表した。 

石川 勝

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