人為的ミスは発生するもの

卒業シーズンもピークを迎え、世の中全体は、

入学、進級など新しいスタートを切る季節を迎えます。

少し前の話になりますが。

私の住んでいる千葉県の公立高校の入試では、

今年から採点ミスを防止する対策として、

今年の入試からマークシート方式によるデジタル採点が導入されました。

昨春の千葉県内の公立高校の入試では、

98校で933件の採点ミスが報告されたという事がきっかけだったということです。

選択問題で正解を不正解にするなど人為的ミスが大半を占めていたというのです。

高校入試という大事な場面ですから、

採点は慎重かつ厳重なチェック体制で行われていた事は言うまでもないが、

大きな組織であっても人為的ミスが発生していたというのが事実です。

当社でも、日報の売上、入金などの確認作業は、事務担当者が行っています。

事務担当者の三人は、台帳と日報のチェックを1件ずつ約200件分の

作業を慎重に行っています。

いわゆる照合・突合といった作業で、

昔から事務所が行う当たりまえに行う仕事だと思っていました。

慣れているスタッフだからできている仕事ですが、

昨年、事務所内のジョブローテションをしたところ、

日報チェックには多くの時間がかかるようになってしまいました。

事務担当者の慣れによるところが多い事が明らかになったのです。

「集計、照合・突合は人手が行うもの」という古い考え方が

今も当たりまえに行われている事を誰も疑問に思いませんでした。

多くのデータの中から特定のものを見つけ出したりする仕事というのは

コンピュータの得意分野です。

今の時代では人間が行う作業ではありません。

町を歩いている大勢の人から特定の人物を探し出す事もできる時代です。 

私自身は、組織の中の属人化に偏りすぎないように、

標準化やシステム化を数十年間取り組んできました。

しかし、知らず知らずのうちに、社員の経験値に頼りすぎていた仕事も

存在してしまった事に気がつきました。

慣れているからこそ仕事は早く正確です。

しかし、仕事の速さの違いにベテランと新人の差があったとしても

“正確性”に差があってはいけないのではないか。

だいじなところはここだと思うのです。

いずれにしても、「人為的ミスは発生するもの」として、

経営をするのが今の時流だという事です。 

石川 勝

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