NHK大河「光る君へ」を仕事に活かす 六条御息所(源氏物語)

 六条御息所(ろくじょうのみやすんどころ)は、源氏物語に登場する架空の人物です。桐壺帝時代の前東宮の妃で、六条京極に住まいを構えていることからこの名前があります。光源氏が13歳のときに20歳の彼女にほれました。彼女は源氏の愛する夕顔に強い嫉妬を燃やし、無意識に生霊となって夕顔を殺してしまいます。

 東宮の死後により家運は衰える中、年下の光源氏と恋愛関係となります。源氏は、美しく気品があり、教養、知性、身分ともに人に優れているためにプライド高い彼女をやがて持てあまし通わなくなります。源氏にのめりこんでいく御息所は、彼を独占したいと渇望しながらも、年上だという引け目や身分高い貴婦人であるという誇りから素直な態度を男に見せることができず、自分を傷つけまいと本心を自制します。この自己抑圧が、御息所を生霊、死霊として活動させます。

 「夕顔巻」で源氏と逢引する夕顔を取殺した物の怪は、御息所であると一般的に解釈されていますが、この説は誤りであるとされています。

 「葵巻」では、賀茂祭(葵祭)の加茂川での斎院御禊見物の折に、源氏の正妻の葵の上の牛車と鉢合わせし、場所争いで葵の上方の下人に牛車を破壊される仕打ちを受けた。この辱めが発端で御息所は生霊となって妊娠中の葵の上を苦しめますが、それを源氏に目撃されます。御息所が、己の髪や衣服から芥子(悪霊を退けるための加持に用いる香)の匂いがするのを知って、さては我が身が生霊となって葵の上に仇をなしたか、と悟りおののきます。

 その後、葵の上は夕霧を無事出産するも急死。源氏の愛を完全に失ったと察した御息所は、彼との関係を断ち切るため斎宮になった娘に付き添い野宮に入ります。野宮に訪ねてきた源氏と最後の別れを惜しんだ後、斎宮と共に30歳で伊勢に下ります(「賢木」)。6年後、帝が変わり斎宮の任期が終わると京に戻り出家、見舞いに訪れた源氏に娘に手をつけぬよう釘を刺しつつ、将来を託して病没。源氏は斎宮に興味を持ちつつも御息所の遺言を守り、斎宮を養女として冷泉帝に入内させ後見しました(「澪標」)。

 御息所は死後も紫の上や女三宮などにとりつき、源氏に恨み言を言いに出現しました(「若菜下」「柏木」)。娘の中宮もその噂を聞き、母がいまだ成仏していないことを悲しんで、御息所のために追善供養を行いました(「鈴虫」)。                             (人を大切にする経営学会:根本幸治)

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