あっちをたてればこっちが立たない

当社と長く取引のある部品商社さんは、小回りが利くので、

現場から絶大な支持を受けています。

現場で発注品する全ての商材は、この商社さんから購入しています。

結果として、約30年以上も、取引が続いていて

当社の全体の仕入れ額もいちばん多くなっています。

他の商社さんが営業に来ても、現場では相手にしません。

現場のお客様先で、機器の交換や必要な部品があると、

現場先から直接担当者が電話をして、

価格や納期を問い合わせると、直ぐに調べて手配をしてくれています。

電話に出ない事はほとんどありません。

しかし、最近、総務で問題になっている事があります。

現場で、電話注文をしている商品が運送業者さんから納品されると、

誰が何のために注文した商品かわからないという話になりました。

総務では、支払や納品にかかわる支払いを整理するために、

納品確認と仕入れや在庫の確認も必要になります。

配送業者は、一般の運送業者が行うため、

発送元が、物流センターやメーカーとなっていて、

配送元が注文をした商社ではない事がほとんどで、

箱に貼られた送り状だけで納品書がない場合も多くあります。

先日、その商社の社長さんに電話をして現状を聞いて見ると、

当社が発注する通常在庫以外の商品は

全て現場担当者20名が直接、商社の社長に電話をして

注文して受けていただいているというのです。

本来ならば、FAX一枚を送って欲しいのかもしれませんが、

電話一本で注文を受け付けてくれるというありがたい話だと思います。

こういう会社が当社を支えてくれているという事に気づいたと同時に

中小企業の模範のような会社だと思います。

困った時に助けてくれる会社。

これが中小企業の生き残りの基本だと考えている事は当社も同じです。

時には、部品一つを東京から自分で持ってくる事もあります。

社内では、各自が注文したら帰社後に発注書を提出するルールがあります。

社内で発注書があれば、総務は納品管理を簡単に事ができます。

ただ、現場担当者は忘れてしまう事も多々あるのです。

私としては、現場担当者が発注書を出していない事を

強く責める事もどうかと思います。

現場も総務も、お客様と会社の事を考えて一生懸命にやっている仕事です。

注意や指導をされては、社員のモチベーションが下がります。

だからと言って、事務所の業務が増えている事も問題なのです。

「あっちを立てればこっちが立たない…」

会社の課題とはこういう些細な課題解決の連続だと思います。

人を大切にする経営学会 事務局次長 石川 勝

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