経営者に必要な4つの美徳

ストイックを国語辞典で引くと、「禁欲的で、感情に動かされず、苦楽を超越する様子」(新明解国語辞典)と出てきます。自分のことを考えると、自分の生き方とは全く真逆の生き方に思えます。

きっと私が、「人生の教科書ストイシズム」(ブリタニー・ポラット著)などの本を手にしていると、周りの人から苦笑いをされてしまうでしょう。

 ところで、人を大切にする経営を実践されている経営者の皆さんの顔を浮かべると、この方々は、ストイックなのだと気付かされます。

 先の本の中に「ストイシズムの『4つの美徳』」というのがあります。

 1 知恵 「生きていれば必ず選択を迫られる場面に直面するが、知恵があると、心の奥底にある願望や意志を踏まえて決断を下せるようになる。」

 2 正義 「他人に思いやりを持つ力」「具体的には、他者に対して敬意をもって接し、よき手本となる行動を示すとともに、人(自分自身を含む)のあいだに優劣は存在しないとの認識を持つこと」

 3 勇気 「苦難に立ち向かう力」「辛苦に耐え、必要があれば過酷な課題を引き受け、味方が一人もいなくても信念を貫き通せる」

 4 節制 「衝動をコントロールして適度な範囲に留めること」表層的な誘惑に向かう欲望よりも、内面の充実を求める姿勢を貫くことで永続的な豊かさを享受することができる

この4つの美徳に即した行動をとれば、理想を実現することができる、とされているのです。

坂本光司先生はじめ、人を大切にする経営の中心で活動されている経営者の方、日本でいちばん大切にしたい会社大賞を受賞している経営者の方のことを思うとき、その経営者は、皆さん、この4つの美徳を備えていると感じます。

きっと、この4つの美徳とは、ストイシズムの美徳であるとともに、優れた経営者に共通な美徳なんだと思います。

私はまだまだ未熟ですが、これらの4つの美徳を身につけられるよう努力したいと思います。

(学会 法務部会 常任理事 弁護士 山田勝彦)

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