「初任給40万?中小企業はどう考えるべきか」
日本は少子化により 若手労働者の母数が急減していることから、
18歳人口は2005年約137万人が2024年は約109万人まで減少し、
若手の希少価値が上昇しています。
希少価値化した「若年層の奪い合い」が進み、
初任給を上げることによる採用競争が過熱しているのです。
オープンハウスは、2027年入社の新卒営業職を
初任給40万円+入社支度金30万円支給
家電量販のノジマは、条件を満たす新卒に
最高40万円 の初任給(アルバイト経験などで評価)。と、
30万円代で、びっくりしていたのもつかの間で、
ついに、40万円代を示す企業も出てきました。
一方、中小企業の初任給の平均は、
20万〜25万円未満が62.9%(帝国データバンク)です。
これでは、多くの新卒者が大企業に新卒者が集中するのは、
ある意味、致し方がないかもしれません。
大企業が、初任給を上げる一方、ソニーやバンダイ等賞与無くしたり、
企業によっては退職金制度を廃止するといった企業出てきています。
つまり、社員への支払い方が変わるだけで、
本当に年収ベースで考えると、
さほど増えていないかといったことも確認してみる必要があります。
また、既存の社員の処遇も考える必要があります。
新入社員が既存社員よりも報酬が多いといったわけにはいかないからです。
既存社員の報酬を削減して調整しなければ原資が生み出せないとすれば、
企業経営としては、原材料高騰他に加え、人件費も大きな負担になります。
秋冬賞与ができた由来について確認してみると、
日本においての賞与の原型は、
江戸時代の商家で奉公人に与えられたお盆(夏) の心付けや
年末(冬) の「餅代」、年末の「仕舞い銭」から来ています。
ちなみにアメリカは、業績連動型で季節賞与はありません。
アジア年末年始に1カ月程度のところが多いと言われています。
戦後、賞与が定着したのは、1961年に国民皆保険制度がスタートしても、
政府は急激な負担増を避けるため、賞与への保険料免除はそのまま維持され、
この段階でもまだ賞与は「保険料ゼロ」のままでした。
そうしたこともあって、企業も多く社会保険料を免除されることから
賞与の部分を多くしたといった背景があります。
その後、少しずつ賞与にも負担を課すことになり、
2003年負担賞与に総報酬制で給与と同率の保険料が課され、
完全に「報酬扱い」なりました。
賞与を多くするメリットがなくなったのです。
中小・中堅企業の賃金について、
大企業の初任給アップによる採用獲得競争や若い方が
終身雇用を前提としていないこと。
その他を考えると、中小企業も夏・冬を無くして
毎月の給与を増やすのも選択肢の一つではないでしょうか?
さらに、実学的な話としては、決算賞与だけにした方が、
メリットがあるかもしれません。
なぜなら、本来、業績に応じては、建前になっていますが、
現実の世界を見てみると、
すでに、住宅や車のローンと紐ついていて、
実質は、業績連動ではなく固定的になっていることもあるからです。
初任給は、夏・冬の賞与を12カ月に割り振ることで、高く設定できます。
決算賞与だけにすれば、夏・冬の賞与がなくなりますから営業利益が増えます。
このことにより、銀行から見れば、財務諸表の見え方がよくなります。
もう一つは、決算賞与の額の例えば3分の1を社員に配分するといった
ルールにすれば、社員は、経営数字にも関心を持つことになり、
当事者意識の醸成にもつながります。
一方、月々の給料を高くした場合は、
考えなければならないことは残業代も連動していると、
残業の多い会社は、トータルで人件費が増えることになります。
人件費が高まることは、社員に豊になりいいことです。
しかし、バランスの問題で、今の企業にビジネスモデルその他で、
人件費が増えたとして、経営として持続可能かどうかも
しっかりと把握しておくことも重要です。
以上のような背景の中、今後、社員への報酬の払い方も、
従来の考え方にとらわれず、見直してみてもいいのではないでしょうか?
藤井 正隆

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