花嫁・風~はしだのりひこ
野口具秋です。
1964年、下宿の深夜ラジオから奇妙な曲が流れてきた。
フォーククルセダースの「帰ってきたヨッパライ」。
はしだのりひこ、北山修、加藤和彦の3人の曲だ。
そのはしだが亡くなった。
その後、クライマックスを結成、
「風」「花嫁」「白い翼の鳥に乗って」などのビッグヒットを放った。
加藤が亡くなった際、コメントを出したが、言葉になっていなかった。
既にパーキンソンを発症していたのだろう。
フォーク界に金字塔をうち立て、享年72で逝った。
解散記念に制作した「ヨッパライ」が深夜族にヒットした。
再結成して「イムジン河」「悲しくてやりきれない」などヒットを飛ばした。
長く加藤と、はしだの不仲が囁かれていた。
この10年「フォークル」が再結成されたが、はしだは不参加。
アルフィーの坂崎幸之助が加わった。
はしだの死因がパーキンソンと発表され、
恐らく参加できない症状にあったのでは。
加藤も既にこの世になく、
今年の4月、京都での北山のステージに車いすで
姿を見せたのが公の場では最後となった。
50年前(1964)、東京オリンピックが開催され、
日本は毎年10%を超える成長を続けていた。
電気冷蔵庫、白黒テレビ、洗濯機の3種の神器が始まった時代だ。
賄い付き下宿はラジオと銭湯が大学生の娯楽だった。
現代のように、ワンルームマンションではなかった。
部屋は木造なのだ。
鈴木オート・3輪自動車、西岸良平の「三丁目の夕日」が
当時の世界なのである。
北山は京都府立医大を卒業後、
大学精神科教授としてのみならず、
永六輔さんの番組に定期的に顏を出していた。
加藤との逸話はよく話をしたが…
はしだの曲の詩は多い。
北山はあの!「あの素晴らしい愛をもう一度」を
加藤と共作で残している。
「戦争を知らない子供たち」、杉田二郎の「男同士」。
北山がロンドンに留学中、英国に出かけ作った曲だ。
男同士の友情を歌い上げたこの佳曲は
今なお古さを感じさせない。
昭和が終り、平成もまもなく終る。
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