使命に生きる~青山学院原監督への批判・擁護について
毎年、楽しみに見ている箱根駅伝をテレビで見ていたが、復路で2位へと挽回したものの、往路では6位の結果になった時、ネットでの青山学院の原監督批判は激しかった。
その批判は、選手起用の采配もあったが、番外での「原監督がテレビに出すぎ」批判である。
「テレビでコメンテーターをやる時間があったら、監督業に専念すべき・・」といったのが主な内容である。
これに対して、擁護の声も飛び交っている。
「業務時間外で何をやるのも自由、むしろ青山学院の宣伝になっていいのではないか」
いずれにしても一理ある内容だ。
私自身、「限度」と「生き方」の二つがキーワードであると思う。
随分前になるが、ビートたけしが、映画監督として世界的な評価をされているときの言葉を今でも覚えている。
「映画監督として評価されるのは嬉しいけど、俺の本業は、お笑い芸人だよ。数百人の生の舞台に立てないようになったら終わりだね。本業があるから、映画監督もやらせてもらえるんだよ」
原監督にとって、どの位が、限度かわからないし、今回、青山学院が負けたこととの因果関係もわからない。
但し、最も、大切にしなければならないのは、選手と向き合う時間ではないかと思う。
経営者の中には、少し、事業が成功すると、講演をはじめメディアに時間を使う経営者も少なからずいる。
中小企業にとっては、人手不足の中、無料で宣伝してくれる機会は貴重に違いない。積極的に受けたらいいと思う。
一方、やはり「限度」が大切だと思う。
もし、メディアや講演に使っている時間を、社員や関係者のために、使っていたら、さらに、事業はさらに発展しているかもしれない。
もうひとつは、「生き方」である。
「経営者の使命と役割は、関わる人の命と生活を第一義に考え、行動すること」
だと、坂本会長は、長年言っているがその通りである。このことは、言葉だけではないことは、どのような行動を取っているかでわかる。
1.教員になってから、一度も、休講したことがない
学会があると、簡単に休講する教授が大学には数多くいる。学生を出席日数に評価するのに、教授の都合のいい時間に補講をやっていて学生の前で教えられるのかと思ってしまう。
2.日本でいちばん大切にしたい会社大賞の審査を一番数多く担当する
審査委員長である立場として、12月~1月の時期は、どんな割がいい講演の依頼があっても受けないで審査を最優先させる。
このことは、「生き方」の問題だと思う。
青山学院の原監督に賛否があるように、人それぞれの考え方があり、冒頭に書いたように、私自身としては、情報が不足している中、安易に賛否を言うことはできないし、そうした立場にもない。
一方、個人的な好みとしては、ビートたけしの話、坂本会長の行動にあるような生き方が好きだし、ひょっとしたら、長く支持され続ける秘訣があるように感じる。
「三人目(人の評価)を見ないで、使命を全うする」と、改めて感じた今年の箱根駅伝だった。
自分自身も、与えられた使命を大切にして生きたいと思う。
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