働き方改革と就業規則③
働き方改革と就業規則③
皆さんの会社の服務規程はどのようになっていますでしょうか。
▼厚労省のモデル就業規則
厚労省のモデル就業規則では、服務規程について、
「労働者は、職務上の責任を自覚し、誠実に職務を遂行するとともに、
会社の指示命令に従い、職務能率の向上及び職場秩序の維持に
努めなければならない。」とし、
遵守事項として「許可なく職務以外の目的で会社の施設、
物品等を使用しないこと」など当たり前のことが書かれています。
もちろん、これら当たり前のことを確認する意味もあるので、
これらの規定は必要なことだと思います。
しかし、あまりにも当たり前過ぎていて、
有名無実化してしまっているのではないか、
と思ったりもします。
▼就業規則に命を!
もっと就業規則に命を吹き込む必要があるのではないか、
と思っています。
社員が大切にすべきは、当たり前の行動規範だけではなく、
大前提に「既存顧客と未来顧客」「社会的弱者」があります。
服務規程の第1号から第3号には、
「既存顧客と未来顧客を大切にする。」
「社外社員とその家族を大切にする」「社会的弱者に寄り添う」
という内容が規定されてもいいのではないでしょうか。
経営者は5つの人を大切にし、
社員は3つないし4つの人を大切にする。
それを就業規則に明記するべきではないかと思うのです
(したがって、就業規則に経営者の宣言として
「5つの人を大切にする。」という条項もあるべきと思いますが、
この話は後日に)。
▼クレドと就業規則との関係
このような内容はクレドで記載すべきであり、
就業規則には馴染まないという主張もあります。
しかし、クレドは、例えば、経営者と社員とで作り、
社員構成、時代や状況により必要に応じて変更されるものであり、
就業規則の服務規程は、
その前提となるような精神をきちんと表明しておくもの、
というように位置づけが違うのではないか、と思うのです。
この点は、「どちらが正しいか」というよりも、
考え方の違いなので、どちらもあり得ると思いますが、
私は、就業規則に生き生きとした命を吹き込みたいと思うのです。
(学会 法務研究部会 常務理事 弁護士山田勝彦)
コメントを残す