数字の重要性とマジック
今週の神田経営者倶楽部のゲストスピーカーは、さくら住宅二宮社長のご紹介で、湘南鎌倉病院 救命救急医・山上 浩さんが登壇されました。
2019年03月24日(日) 救急受入数日本一!「絶対に断らない男」が率いるERチームの怒涛の現場に密着!」といったで情熱大陸でも取り上げられた方です。すでに放映が終わっていますが、有料版で見ることはできます。
https://dizm.mbs.jp/title/?program=jounetsu&episode=87
山上さんが情報提供された内容は、マクロ的な数字に加えて、医療の現場で起きていることをわかりやすくお話され、さらに、自分自身が、例えば、生き死にな状況になったときのために、どのような準備をしなければならないかについてまで、教えていただき、とてもタメになる内容でした。
数多くお伝えしたいことはありますが、一つだけ仕事柄気になったことをお伝えします。
「そうだったのか~」と思ったのは、下記の総務省の発表に関する各メディアの取り扱いです。
救急出動件数、搬送人員とも過去最多
平成29年中の救急自動車による救急出動件数は634万2,096件(対前年比13万2,132件増、2.1%増)、搬送人員は573万5,915人(対前年比11万4,697人増、2.0%増)で救急出動件数、搬送人員ともに過去最多を記録しました。(総務省ホームページより)
高齢者が増えれば、当然、病気やケガをすることも増え、救急車の出動件数は増えることは当然です。
この発表があった時期、「大した病気でもないのに、簡単に救急車を呼ぶ人のこと」が、複数のメディアで放映されたことを記憶しています。
その時、私も、「それは困ったもんだな~」と、あまり深く考えることもありませんでしたが、日本一救急の受け入れた多い実績がある湘南鎌倉病院では、1%もそうした方はいないというのです。
そして、救急車を呼ぶようなケガや病気なのかは、患者さんはわからないと、判断できない!おっしゃいました。
私は、「確かに・・・なるほど~」と思いました。
メディアの報道から私が受けた印象は、救急出動件数の増加の原因が、あたかも、タクシー替わりに安易に救急を呼ぶ人が増えたような感じがしましたが、間違いであったことがわかり、ハッとさせられました。
新聞をはじめメディアで発表される統計調査結果も、不正確なものが多く見受けられます。
某保険会社が、主婦のへそくりアンケート」結果、へそくり(夫に内緒の資産額)の平均所持額は416万円といった発表がありました。ここだけを切り取ると、実態と違うと感じます。この金額は、へそくりがあると回答した6割の人の平均だからです。へそくりがない人を含めて計算し直すと、平均は173万円まで下がります。また、同調査では1000万円以上へそくりがある富裕層が10%、平均額が大きく押し上げ、主婦全体の実態を乖離が生じることは、少し注意深く見ればわかることです。
しかし、日常生活で、自分に直接関係がないと、なかなか立ち止まって、あるいは、調べてまで、深く考えるといったことはありません。一方、人は、自分が得た情報から認知が形成され、その形成された認知から判断します。
厚労省をはじめ、国の調査データが、少し前に問題になりましたが、社会の偏見やイメージに囚われそうだと感じた時は、数字を使って真実かどうかを立ち止まって考えることの重要性を再認識しました。
以前読んだ本で、日常生活で見聞きする数字について書いた本ですが、様々な事例が紹介され面白い内容でした。
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