働き方改革と就業規則⑨
働き方改革と就業規則⑨
インターバル制度の導入(努力義務化)
▼勤務間インターバル制度導入に努力義務がかせられました
「働き方改革法」ではあまりクローズアップされていませんが、
今回、勤務間インターバル制度の導入を努力義務とする
規定が設けられました。インターバル制度とは、
終業時刻から翌日の始業時刻の間について、
一定の時間をもうける制度です。
たとえば、初日の勤務の終業時刻と始業時刻との間に
10時間確保する、というような定めをすることになります。
もっとも努力義務ですので、まだ採用しているところは
少ないかもしれません。
▼インターバル制度を導入する場合の就業規則の定め方
インターバル制度を導入した場合、どのような建て付けにするかを
決めなければなりません。
例えば、休息時間を10時間として、通常の始業時間が8時の場合、
前日午後11時まで残業をしたとすると、
休息時間は翌日9時までになります。
本人は9時に出社することになりますが、
始業時間との関係をどうするかによって、
就業規則の規定を変えなければなりません。
厚労省は、2つの例を提示しています。
▼始業時間と休息時間との差を労働したものとする方法
前述の例で、本人は午前9時に出勤しますが、
始業時間(8時)に出勤したこととする取扱方法の例です。
「第〇条 いかなる場合も、労働者ごとに1日の勤務終了後、
次の勤務開始までに少なくとも、10時間の継続した
休息時間を与える。
2. 前項の休息時間の満了時刻が、次の勤務の
所定始業時刻以降に及ぶ場合、当該始業時刻から
満了時刻までの時間は労働したものとみなす。」
▼始業時刻を繰り下げる場合
こちらは、本人が9時に出勤する場合に、始業時刻を9時に
繰り下げる方法です。
「第〇条 いかなる場合も、労働者ごとに1日の勤務終了後、
次の勤務の開始までに少なくとも、
10時間の継続した休息時間を与える。
2. 前項の休息時間の満了時刻が、
次の勤務の所定始業時刻以降に及ぶ場合、
翌日の始業時間は、前項の休息時間の
満了時刻まで繰り下げる。」
▼是非導入のご検討を
勤務間インターバル制度を採用することで、上司も社員も働く時間、
休む時間をより意識化することができ、単なる残業時間の
有無だけでなく、日々の働き方を見直すきっかけになると思います。
是非、導入をご検討ください。
(学会 法務研究部会 常務理事 弁護士山田勝彦)
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