こころ旅

野口具秋です。

福島県浜通り、居住制限区域富岡町の2.5キロ続く桜並木が満開です。
誰も訪れることが許されてないため、
さぞかし桜花も寂しかろう。
福島に在籍中、梅・桃・桜が一斉に花咲く
郡山市近郊・三春町の千年桜を思い出しています。
日本三大桜の1本です。
足早に春繚乱は北上します。周りは色鮮やかに新緑が広がります。

火野正平さんが視聴者から手紙をもとに
懐かしい、思い出のこころの風景を訪ねる番組がお気に入りです。
嫌いな俳優でしたが自然体で、ぶっきらな、語り口に惹かれました。
「治療が終われば元に戻るさ、俺は二度と生えてこないぞ」、
と思い出の地で彼女に語りかけます。
北海道をめざして群馬県を疾走中です。

この季節、志賀高原はまだ雪の中でした。
志賀高原白根山ルートを夜中に抜ける時は命がけの運転でした。
真冬の風景です。突き抜ける蒼い空が開けてきます。
鮮烈な冷気と白樺の新緑がホッと緊張を解放します。
とびっきりの若葉色です。真冬の陽ざしに、
きらきら浮遊するダイアモンドダストをみることもあります。

遠く兵庫県の小さな町で育ち、毎日のように小高い山を登り、
播州平野、瀬戸内海、遠く小豆島を眺めて暮らしていました。
55年以上訪ねたことはありません。
風の便りでは、かつての集落は跡形もないようです。
10分も登れば山頂にたどり着く小道を
思い出すことはできるでしょうか。
それとも火野さんにお願いしましょうか。

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