女性が社会で活躍するために

あるドラマのワンシーン。A氏「ちょっと聞いて欲しいんだ。この前も妻から、『あなたは家事を何も手伝ってくれない』と怒って言われんだ。僕だって、忙しい出勤時間にゴミ出しを手伝ったりしているのに。」、B氏「それは家事とは言えないと思いますよ。ゴミは、家のそこら中にあるゴミ箱からゴミを集め、ゴミの選別をして袋に詰め込むのが大変なんです。袋に詰め込んだものをゴミ集積場に持っていくだけでは、ゴミ出しをしたとは言えないですよ。」耳の痛い話しです。

 先週の日曜日、日経新聞に「保育所休園、ママに負担 30代女性の出社減る」との記事がありました。保育園が休園になるなどし始め、男性より女性が、女性の中でも子育てが一段落した50代よりも30代の外出が大幅に減ったとのことです。コロナ禍の傾向は、世界的に同様だとのことですが、欧米では家事・育児の代行サービスを使う世帯が比較的多いこともあり、日本ほど男女差は付いていないようです。しかし、日本では、他人を家庭の中に入れたり、幼児のベビーシッターを依頼することに抵抗を感じる人も多いと思います。そうすると、核家族化してしまっている日本では、夫婦に負担が大きくかかっていくことになります。そして日本には、「奥様」というように、家の奥を守るのは女性という固定観念がまだ根強くあるように思います。かくいう私自身、典型的な昭和男子で、子どもが小さかった頃は学校行事にもろくに参加せず、家事のほとんど一切を妻に任せてしまっていました。「自分は働いて稼いでいるのだから。」というのを言い訳にしていました。今、家事は「無償労働」と呼ばれたりしています。日本の「無償労働」は、女性が男性の5倍強だそうです。このようなことが当たり前という社会では、到底、女性の社会活躍など実現するはずがありません。心から、このような社会風土は変えなければならないと思います。もちろん私自身、これまでの生活、考え方を深く深く反省しつつ。

 (学会 法務研究部会 常任理事 弁護士山田勝彦)

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