今週は第12回の日本でいちばん大切にしたい会社大賞受賞企業28社の中から印象に残ったトップ保険サービス株式会社さんのホームページをご紹介致します。

　Https://www.top-hoken.com/

トップ保険サービス株式会社（福岡県北九州市）さんの創業は1926年（昭和元年）、社員数は27名、年間37,000件の保険を管理する保険代理店です。

来る2026年に創業100周年を迎えます。

●創業者の秘話

野島末次郎（初代）が、茶道具店の傍ら東京海上火災保険株式会社（現　東京海上日動火災保険株式会社）の代理店登録。当時末次郎は、現JR九州 鹿児島本線の小倉-東小倉（当時）間の踏切にいる踏切警手の夜間担当の方に4年間毎日うどんを届けたそうです。関わりあうすべての人々の「よかった」を増やすという企業理念は、このことが起源となっており、その精神は今も脈々と受け継がれています。

ホームページには当時の新聞記事が掲載されています。

●クレド（我が信条）とTSD

・クレドは15項目からできています。とても分かりやすく、保険代理店らしい内容に納得です。

15項目の前に孔子が弟子の質問に答えたという【其恕可 】の説明があります。

「先生、ただ一語で、一生それを守っておれば間違いのない人生が送れる、そういう言葉がありますか。」

孔子は「それは恕かな　其恕可」と答えます。自分がされたくないことは人にしてはならない、と。それが一番大切なことだと孔子は教えたのだそうです。

・TSDとは？

T（次の）S（社長は）D（誰だ！？）の略です。

トップ保険サービスは社長に万一のことがあった場合、組織が混乱しお客様に多大なご迷惑をおかけすることがリスクと考えています。これを回避するために、事前に次期社長を全社員で選ぶ総選挙を毎年実施しています。

ホームページには過去7回のTSD総選挙第1位の社員さんが掲載されています。同社らしくあり方を表現した面白いアイデアでとても共感できます。

●こんな会議やチーム活動があります

・ぜんぶうまくいったらどうする会議

“トップ保険は、お客様によろこんでいただくために存在しています。 お客様によろこんでいただく為には、トップ保険で働く社員全員が、楽しく、いきいきと、よろこんで仕事をしていることが大切だと考えています。

「ぜんぶうまくいったらどうする会議」は、全社員で、会社の夢を語る会議です。会社目標を達成できたら…どうする？を皆で考え、実現させています。”

・お客様大好きチーム

“お客様に喜んでいただけることを考えるチームです。 お客様にお渡しする粗品を考えています。（今まで考えた粗品：カレー、ふりかけ、蒸気のアイマスク、保険証入れ、ふきん　等）。毎年の年賀状をデザインから撮影・発送まで担当します。ウェルカムドリンクのメニューを考えます。ホームページの運営、ブログの更新なども担当します”

・みんな大好きチーム

“皆が楽しんで仕事に取組めることを考えるチームです。社員旅行を企画します。忘年会、毎月の誕生日会などの社内イベントを企画・運営します。社員みんなが楽しめるレクリエーションを企画・運営します。社員の健康促進のための活動や、福利厚生制度も考えます”

・スマイル推進チーム

“さまざまなリスクに対してしっかり備え、みんながスマイルで過ごせる地域づくりを目指して活動するチームです。ボランティア活動に参加します地域行事に参加します。寄付金、協賛金、広告の選定や管理をします。リスクマネジメント講習会の企画・実施をします”

●最後に

採用のページでは“どんな人と一緒に仕事がしたいですか”に対して“自分より他人を優先できる人。「人の役に立つ」ことが人生の目標と言える人。明るい人。人格の高い人。”とあり、同社の姿勢がストレートに表現されています。

また、ホームページには27名全員の写真とコメントが掲載されています。

トップ保険サービス株式会社さんの社風や空気感がホームページからも伝わってきました。

***補足***

この投稿では「法政大学大学院 政策創造研究科 坂本研究室」や「人を大切にする経営学会」での経験をもとに毎週火曜日にお届けしております。個人的な認識をもとにした投稿になりますので、間違いや誤解をまねく表現等あった場合はご容赦いただければ幸いです。（人を大切にする経営学会会員；桝谷光洋）