No260 過去の受賞企業から ~第12回日本でいちばん大切にしたい会社大賞より⑭~
今週は第12回の日本でいちばん大切にしたい会社大賞受賞企業28社の中から印象に残ったオムロン太陽株式会社さんのホームページをご紹介致します。
主な事業は電気機械器具の製造、社員数は118名うち77名が障がい者の方々です。
https://components.omron.com/taiyo/
オムロン太陽株式会社(大分県別府市)さんは、創業者の中村裕氏が1965年に前身である太陽の家を創設し、1972年にオムロン株式会社の立石一真氏の協力により、日本初の障がい者福祉工場;オムロン太陽電機株式会社(1990年にオムロン太陽株式会社に社名変更)が誕生します。
また、社会福祉法人太陽の家は、第10回の日本でいちばん大切にしたい会社大賞受賞企業でもあります。
●主な事業
オムロンの主要製品である制御機器用のリレーソケットや各種スイッチを生産しており、ソケットの生産は年間1000万個に及ぶそうです。
●オムロンの企業理念である社憲
“われわれの働きで われわれの生活を向上し よりよい社会をつくりましょう”
この社憲は創業者のオムロン創業者の立石一真氏が、“企業は利潤追求だけではなく、社会に貢献してこそ存在する意義がある”という企業の公器性について社員向けにわかりやすい言葉でまとめたものだそうです。
会社は公器であるということを公言していることが何より素晴らしいと感じますし、多くの人に知ってほしい事柄です。
●オムロン創業者 立石一真氏との出会い
立石一真氏は1900年熊本市生まれ。
熊本高等工業学校(現熊本大学工学部)の電気科第一部電気化学を卒業後、数々の経験を積み、アメリカで開発された“誘導形保護継電器”の国産化開発に取り組みました。このとき身につけた技術が、立石電機(現オムロン)創業の基礎となっています。
1971年、福祉法人太陽の家創設者の中村裕博士と作家の秋山ちえ子さんから、重度身体障がい者の社会復帰のための専門工場建設、運営の援助依頼を受けました。
ちょうど日本経済に大打撃を与えたドルショックの直後でしたが、「オムロン太陽電機株式会社」の設立を引き受けることにしました。
●最後に
同社のホームページを見ていると、障がい者の皆さんが行う仕事がオムロンの事業に直結しているだけに品質や生産性を追求していることを感じます。
そして効率や利益の追求だけではなく、目指す方向性が伝わってきます。
“一人も不幸な人がいない、全員が生きる喜びを感じられる社会を作る”
“全員が活躍・力を発揮する「ユニバーサルものづくり」を推進し、 多様な一人一人の”人“に合わせた生産治具・設備、職場環境の整備・改善を日々行う”
“共生社会のリーディングカンパニーになるべく、障がいのある人も無い人も現場で働く一人一人の想いと創意工夫とチーム力を結集し、我々ならではの価値を創出”
オムロン太陽株式会社さんのホームページは、多くの人に何を伝えるか、その内容や熱量など、とても重要なのだと改めて認識しました。
***補足***
この投稿では「法政大学大学院 政策創造研究科 坂本研究室」や「人を大切にする経営学会」での経験をもとに毎週火曜日にお届けしております。個人的な認識をもとにした投稿になりますので、間違いや誤解をまねく表現等あった場合はご容赦いただければ幸いです。(人を大切にする経営学会会員;桝谷光洋)
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