No273 過去の受賞企業から ~第13回日本でいちばん大切にしたい会社大賞よ⑫~

今週は第13回の日本でいちばん大切にしたい会社大賞を受賞した26団体の中から印象に残った株式会社ナプロアースさんのホームページをご紹介致します。
 https://www.naproearth.co.jp/

株式会社ナプロアース(福島県伊達市) さんの創業は1996年です。2011年の東日本大震災では避難区域にあった浪江町の本社機能を伊達市に移転。主な事業は自動車のリサイクルです。ホームページでは社員数の記載はありませんでしたが約50名ほどのようです。

●和を重んじています
株式会社ナプロアースさんの社訓や経営理念、経営方針にはそれぞれいくつかの項目がありますが、その中には和の記載が必ずありました。
・社訓
 私たちは「和」を大切にして、仲間と心をひとつにします。
・経営理念
 私たちは、「和」の精神を大事にします。
「結」の精神:お互いに助け合う互助の精神
「大和」の精神:大きな和、世界・地域・社員同士が支え合う、思いやりのある精神
・経営方針 
 和の精神
お客様や仲間だけではなく、すべての人に あたたかくやさしい気持ちで接する。
『和』の精神を忘れないこと。

●代表取締役;池本 篤氏の正直な想いや言葉が随所に掲載されています
創業期の困難や東日本大震災によって事業継続の瀬戸際に立ったことなど記載されていました。
原発がこんなことになるとは考えてもいなかったので、本当に迷いました
草創期、とてもキツくてストレスから血尿を流す経験もしました。親類の借金の保証人になったことが裏目に出て、死を意識したこともあった。でも、周りの人から奇跡のような助けられ方をして苦しかった時期を何とか乗り越えることができた
最悪の時期を脱して、少し余裕がもてる時になってくると、私自身が燃え尽きてしまって仕事を楽しめなくなっていました。知らず知らずのうちにつまらない雰囲気をまき散らしてしまったことが問題なんじゃないかとあるとき気づいた
そこからは新事業に挑戦したり、新しいショップを開業したりして、意識的に改革に挑みました。そうすることで社内に活気が戻りスタッフの定着率も回復し、何とか安定するようになったのです
それ以降、私の中で従業員の満足度を重視する考え方に変わりました。私が「和」や「仲間」を重視するのはその頃の体験が大きいのです

●多様な情報発信
同社のホームページではさまざまな情報が発信されています。
ホームページでは思いや考えを伝えることができます。どのように活用するかは企業にとって重要なことです。
そしてこのふつは何年もの間、毎月発信していました。
・ナプロ談話室・・・ナプロアースが業者様向けに発行しているナプロアースの会社新聞【なぷろ談話室】。毎月発行のようで現在278号です。
・スキルアップ通信・・・お役立ち情報を2010年から毎月1回発信しています。

●最後に
同社は東日本大震災によって会社を福島県から岩手県に移転させることを検討したそうです。
岩手県まで行ける社員はほんの僅かしかいないことが分かった。もし県外に移転すれば仲間がバラバラになってしまう。それはどうしても避けたかった。県内に留まれば四割ぐらいの仲間とまた一緒に働けることが分かった。それで福島で再起しようと決めました
地域・社員とその家族を大切にした結果、福島の地で事業を再開しています。これからも同社の存在を注目したいと思いました。

***補足***
この投稿では「法政大学大学院 政策創造研究科 坂本研究室」や「人を大切にする経営学会」での経験をもとに毎週火曜日にお届けしております。個人的な認識をもとにした投稿になりますので、間違いや誤解をまねく表現等あった場合はご容赦いただければ幸いです。(人を大切にする経営学会会員;桝谷光洋)

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