NHK大河「光る君へ」を仕事に活かす(源氏物語) 蛍
源氏は36歳、太政大臣として政治の中枢として活躍しています。
夕顔の娘である玉鬘は22歳と美しく成長したが、養父である源氏から恋愛の思いを明かされ、苦しく憂鬱な日が続いていました。身元引受人に言い寄られる自らのつらい身の上も、全ては母・夕顔が早くに死んだせいかと悲しく口惜しく感じています。
源氏も素直に恋愛の気持ちを伝えたものの、これ以上深入りしてはいけないと自らを戒めつつ、暇を見つけては玉鬘のもとへ通い、ついつい口説き文句を並べ立てては玉鬘を困らせてしまう、という状況でした。
そんななか、蛍兵部卿宮は相変わらず熱心に玉鬘に恋文を送ってきていました。源氏はその恋文を見て一計を案じ、玉鬘に蛍兵部卿宮を呼び寄せる返事を書かせます。喜び勇んで玉鬘の屋敷にやってきた蛍兵部卿宮は、源氏が隠れているとも知らず、几帳を隔てた玉鬘に向かって対座します。
ゆかしい振る舞いや芳香も加味されて、玉鬘をなんとも上品でこの上ない女性であるように感じられた蛍兵部卿宮。そこへ好機を窺っていた源氏は、隙を見て袋に入れて隠していたホタルを解き放ちます。暗闇に一斉に飛び交うホタルが光を放ち、その一瞬、蛍兵部卿宮は玉鬘の横顔を見てしまい、その美しさにますます夢中になってしまいます。蛍の光に照らし出される美しい妖艶な薄着の容姿が、彼女を求める恋心を高ぶらせます。
しかし、玉鬘が送った和歌の返歌、は想いを寄せる男にとってつれないものでした。
玉鬘にとっても、源氏が恋人のような振る舞いをするかと思えば、他の男の気を誘わせる行動に出る態度に対し、困惑するばかりで、悩みは尽きません。 (人を大切にする経営学会:根本幸治)
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