叱責の影響

今年も最後の投稿となりました。一年間、ありがとうございました。来年もよろしくお願いいたします。

12月24日の日経新聞デジタル版に、「メンタル不調、20代で2割 上司からの叱責がストレスに」との記事がありました。

記事の内容によると、パーソル総合研究所のメンタルヘルスに関するアンケート調査で、有効回答3025件の中で、過去3年以内にメンタルヘルスの不調を経験したことがある人は、20代男性で18.5%、20代女性で23.3%との結果であったそうです。メンタルを崩す初期症状はほとんどの場合、体に出るといわれています。よく聞くのは、不眠、頭痛、吐き気、慢性的なだるさ、手に汗をかいてしまうなどの症状だと言われています。

叱責は、現時点では、必ずしもそれ自体はパワーハラスメントにはなりません。一度の叱責であれば、業務の必要性があり、相当な範囲内であると評価されることが多いと思います。

しかしパワーハラスメントにならなくても、社員がメンタルを崩すことによって、労働生産性が落ちたり、大きなミスをしたり、または適応障害型のうつ病になり休職となってしまえば、会社にとっては不利益しかありません。

経営者は管理職の話を聞くと、「こんなことでは注意も指示もできない!」という声を聞きます。注意も指示も指導も、仕事をちゃんとやってもらうためにするものですので、その結果、かえって仕事がちゃんとできなくなってしまうのでは注意や指示、指導の意味がなくなってしまいます。

叱責をする前に、何のために叱責をするのかを自認し、伝え方に工夫をすることが必要です。

私もついつい声を荒げてしまうことがありました。今はできるだけ、何らかの指摘をする時に、「僕は」「私は」と主語を付けて話すことにしています。

社員を叱責しそうになった時に、是非、主語を付けてみて下さい。そうすると、言葉の強さや印象が変ります。

(学会 法務部会 常任理事  弁護士 山田勝彦)

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