悲しい知らせ

野口具秋です

早朝にもたらされる知らせにはろくなものがありません。
知らせは大阪に住む母親からのものでした。
独り暮らしに慣れて、ゆったりとした生活を送っているために
早朝の電は不吉な予感がします。
名前が聞こえました。
三鷹に住む甥っ子の子供が生後三カ月で突然死しました。
現代日本でも二千人に一人発症する難病のようです。

母親は正月に広島に住む孫が、生まれて初めて二歳になるひ孫を
家族連れで見せに来ました。
昨年は八潮に住む一歳半のひ孫の対面を楽しみにしていたのですが、
発熱で中止となり、定期的に送られる大きな写真で
成長を見つめています。
三月に四人目のひ孫の対面をとても楽しみにしていたところです。

キリスト教の世界では人生に神より三度の祝福を受けるのだそうです。
最初の教会の鐘は生を受け、この世に生れ出た祝福の鐘が響きます。
二度目はウェディングの祝福の鐘が高らかに鳴り響きます。
そして人生の役目を終え、神の御許に召されていくときに
静かに鐘は鳴り響きます。
 
わずか三カ月でこの世を去ったこの子はあまりにも悲しすぎます。
とるも、とりあえず北海道から駆け付けた父親(弟)は
打ち萎れた若い二人に声も出せないのでした。
本人も家族全員が医者であるだけにやるせない気持ちが
募ることでしょう。
ひっそりと家族だけの野辺の送りをしたいと告げてきました。

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