タコツボ化

D1の菅野雅子です。

10月ももう終わりですね。あっという間に今年も終わってしまいそう。年末に向けて、だんだん気ぜわしい季節になってきましたね

今日は仕事のことを少し。
今仕事で、介護業界のマネジメント人材の育成に関するプロジェクトに取り組んでいます。
マネジメント人材に期待される役割と能力、それに対して現状の問題点は何かということを明らかにして、人材開発プログラムに結びつけるというものです。

ちょっとその途中経過を。
経営層、中間管理職、現場のリーダーの3階層にインタビューをしていますが、経営主体(社会福祉法人、医療法人、株式会社・有限会社、NPO法人等)を問わず、現状の問題点について、ある共通の傾向が見えてきました。そのうちいくつかをあげると・・・

■仕事のマネジメントに関して、全般にPDCA、とくに「検証」が弱い。もちろんPDCAサイクルに沿って仕事をしているのだけれど、同じような事故やクレームが繰り返し起こるなど、なかなか根本的な問題解決につながらない。

■目の前の仕事に一生懸命ではあるが、今のやり方に疑問を持ったり、新しい視点を取り入れたりすることが弱い。介護技術・知識もどんどん新しくなり、環境変化も激しい中、なかなかサービスの差別化や革新が図れない。

■自分のセクションのことで手一杯で全社的な観点が弱い。そのため、「人が足りない、増やして欲しい」といったことを当たり前のように要求し、その一方で自分たちの仕事の効率を高めたり、やり方を工夫したりすることが弱い。また部門間で連携することや、全社的な観点から収入とコスト効率を考えるという発想が弱い。

つまりみんな一生懸命、忙しく仕事をしているのだけれど、目の前の仕事に追われて、立ち止まってきっちり振り返ることが不十分であったり、全体のこと、先のこと、新しいことに目が向かない・・・というところでしょうか。

ちなみに、調査対象の事業所は、人材育成に力を入れ離職率も低く、業績も比較的安定している「優良な」介護事業所です。問題意識が高いからこそ、厳しい見方をしているのではないかと推察しています。

でも、こうした現象は介護事業所に特有な話ではないなぁと思いました。
組織にいると、どうしてもタコツボ化してしまったり、「忙しい」=「仕事を頑張っている」と勘違いしてしまい、それで満足してしまっている、みたいなことって、普通にありがちな話ですよね。
もちろん少なからず、私にも

組織学習の理論に、「シングルループ学習」と「ダブルループ学習」(Argyris and Schon,1978)というのがあります。「シングルループ学習」は既存の枠組みを漸進的に修正・改善する学習形態で、「ダブルループ学習」は既存の枠組みとは異なる新しい可能性を探る学習形態のこと。組織にとっては、両方が重要なのではないかなぁと思います。
「シングルループ学習」だけでは、過去の成功体験に固執し、変革を妨げる。「ダブルループ学習」の過度な追求は、既存の枠組みを壊すリスクが伴う。
組織の環境適応を考えたときに、両者のバランスをどうとっていくかが難しいなぁと思います。

いずれにしても、今回の調査では介護保険法の改正を控えて、「既存の枠組みの中での斬新的改善」だけでは生き残っていけない、という介護事業者の強い問題意識が感じられました。

さて、これを人材開発プログラムにどう結びつけるかが、また大きな課題。
少なくとも従来のOJT、企業内研修、資格取得支援といった方法では不十分で、もっと外に目を向けること、外部との接触・交流の中から刺激を受けたり、何か揺さぶられたり、自分たちの立ち位置やレベルを確認できるような機会が必要なのかなぁと感じています

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「タコツボ化」への2件のフィードバック

  1. 菅野さん
    おはようございます!
    >さて、これを人材開発プログラムにどう結びつけるかが、また大きな課題。
    効果のあるプログラムが出来上がり実践できますように!
    >組織の環境適応を考えたときに、両者のバランスをどうとっていくかが難しいなぁと思います。
    弊社もバランスある状態にしなくてはと思っています。、
    >もちろん少なからず、私にも
    私も反省です・・・・。