「障害者雇用を難しくしている考え方」

毎週金曜日の「人を大切にする経営学会」のメルマガ巻頭言です。

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「障害者雇用を難しくしている考え方」
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          株式会社障がい者つくし更生会 専務取締役 那波 和夫

この度寄稿の機会をいただきましたので日頃不思議に感じていることを
お伝えしたいと思います。

社名「株式会社障がい者つくし更生会」いかにも福祉イメージを強く持たれる
社名ですが、社会福祉法人でもNPO法人でもない1984年(昭和59年)設立した
「株式会社」です。

不燃性一般廃棄物処理施設の運転管理等を事業としており、社員38名中
障害手帳を所有している者は33名、うち6名は重度障害者で、設立以来33年
補助金等をいただくことなく、ほとんどの社員は納税者となっている普通の
「株式会社」です。

今まで弊社への視察等で企業、教育者、福祉関係者、障害当事者、保護者、
行政、議員、研究機関、メディア等の様々な立場の方々と数多くお会いして
きました。それぞれの方々から一様に「信じられない」「不可能だと思っていた」
「驚いた」「初めて知った」「感動した」「社員がイキイキしていて、
やらされているように見えない」等の感想をいただきます。

そこで皆さんに伺います。「あなたは何故「信じられない」「不可能だと
思っていた」等と考えていたのですか?」「何故、障害手帳を所有している
人たちは仕事ができない、事業が成り立つはずがないと思っていたのですか?」

すると多くの方々から
「気付かないうちにそう思い込んでいた」
「様々な問題、事件等の情報ばかりが入ってきていた」
「できるはずがないと思っていた、決め付けていた」
「できる可能性の話を聞いたことがなかった」
「自ら壁を作っていた」
「私達が生徒(子供)の足を引っ張っていた」
「知っているつもり、やっているつもりになっていた」等

弊社の社員の働きぶりと成長している姿を見て、弊社の考え方を知って、
実際に可能性を目の当たりにしたことで今までの自分自身の「考え」に気付く
方々が多数います。

物事を否定的に受け止めてみたり、自分の固定概念の枠にはめてみたり、
障害名で決め付けてみたり、問題や課題は他者にあって自分の中にあるという
可能性に気付いていない方等がいます。シンプルなものを複雑に考え、素直に
向き合えば良いものを難しくしていることが多いように感じます。

そのようなマイナスの「考え」からスタートするとその後には多数の問題が
発生しトラブル解消等に相当の労力を浪費してしまう負の連鎖となり、
せっかくの皆さんがお持ちの能力が良い成果や真の付加価値につなげることは
難しくなるのではないかと考えます。

私たちは社員に仕事を通して成長してもらいたい、その喜びを皆で共有したい。
そのためにどのような環境にするのかを考え、個人を観察し見通しを立て
関わる工夫をコツコツと継続しているにすぎません。それは、いわゆる
「障害者」も「健常者」も「社員」も「生徒」も「子供」も基本は同じこと
だと考えます。それを根本から「別な物とする考え」が障害者雇用や人間関係や
人の成長等を難しくしている要因の一つではないかと感じます。

弊社は素直に使命としている「障がいがあっても物心両面の環境が整えば
一人前の仕事ができる。障がい者と健常者は一体となれる。それを証明し
伝えること」に向き合っていく努力を本気で取り組んでおります。

それが結果として企業としても成長し、社会から必要とされ、お客様から弊社
を選んでいただくことに繋がっております。今ではお陰様で「人を社員を大切
にしていますね」「理念経営ができていますね」「更生会は市の宝です」
「この会社を他にも知らせたい」という表現で評価していただけるように
なってきました。

今後も弊社にチャレンジの機会を与えていただいた方々、ご理解・応援をして
いただいている多くの方々に感謝し、社会的価値と事業的価値のバランスを
整えながら継続して少しずつ成長するよう邁進していきます。

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