目を疑った。世のため人のための会社が。

何と、朝日新聞の朝刊の1面トップに。
目を疑った。世のため人のための会社が。

「池内タオル」さんが、「鎌倉投信」さんが、、、。

朝日新聞のネット、その動画、朝日の朝刊も見て欲しい。

以下、ネットから。

「風で織るタオル」として、脚光を浴びたタオルがある。

SDGsと企業 国谷裕子さんが有馬利男さんに聞く
地球の課題を解く「SDGs」 国谷裕子さんと考える
作っているのは、高品質のタオル産地として知られる愛媛県今治市の「イケウチオーガニック」。社員33人の小さな会社だ。
目指すのは「最大限の安全と、最小限の環境負荷」。工場やオフィスで使う電力は間接的に風力でまかない、農薬や化学肥料を使わずに栽培されたオーガニックコットンで織る。染色工場には、世界最高水準の浄化施設を備える。

3月下旬、東京・大手町。タオルを使っている人向けに同社がセミナーを開いた。講師は、インドなどでオーガニックコットンの生産に取り組む会社の責任者たち。「オーガニックを作ればいいというわけではない。生産者の生活環境、医療などの課題にも取り組み、全てが長く続くように考えています」。世界共通の課題解決のため、2030年までに取り組むことを決めた国連の持続可能な開発目標(SDGs(エスディージーズ))の17の目標を示しながら、理念を語った。

出席した会社員の男性(54)は「最初はエコのことは知らずに使い始めたけど、原材料のことを知ってますます愛着がわいた」と話した。
「売れなくてもいいから作り手の理想型を」と、細々とエコなタオルを作り始めたのは1999年。転機は2003年、年商の7割を占めていた取引先が倒産し、同社も民事再生法適用を申請したこと。前年のエコなタオルの売り上げは年700万円と全体の1%程度だったが、前社長の池内計司さん(68)は「事業の核にしよう」と決めた。海外との激しい競争の中で生き残るための戦略だった。

「環境に配慮しているからといって、消費者に我慢を求めたくない」と、吸水性や風合い、色にもこだわる。取引先は03年の2社から250社に、売上高は年約5億円に増えた。バスタオルは3千~1万円。理念に共感する消費者も多い。「働きたい」とやってくる若者も少なくない。

これから取り組む予定なのが、タオルのメンテナンス事業。使い込んで風合いの落ちたタオルを特殊な洗濯方法で再生させる。「多く売る」から「長く使ってもらう」ことで収益を上げる仕組みを模索している。阿部哲也社長(50)は言う。「過剰な消費欲をあおってものを買わせ、資源を食いつぶすのはもう限界。一見非効率に見えても、誰にも無理のない仕組みの方が、長く続けられる」(仲村和代)SDGsはSustainable Development Goalsの略。朝日新聞社はSDGsが示す課題の解決策を探ります。企業が生産段階から環境や人権に配慮した仕組みをつくり、収益につなげるのもその一つです。キャスターの国谷裕子さんが今回は、国連と企業の協力活動の中心にいる有馬利男さんに聞きました。

国谷裕子さんによるインタビュー動画はこちら
「風で織るタオル」、環境も品質も 取引先倒産が転機に

 国谷 SDGsは企業にとって「宝の山」と、よく聞きます。

 有馬 世界共通の課題に答えやサービスを探ることで、ビジネスが生まれます。ブランド力や企業イメージの向上にもつながる。さらに自分たちはこういう価値のために働いているのだと、社内で気持ちのまとまりが生まれます。

 国谷 これまで言われてきたCSR(企業の社会的責任)と、SDGsはどう違うのでしょうか。

 有馬 社会貢献活動をCSRだと考える企業も多いのですが、本来求められているのは、社会課題の解決に責任を果たすことです。SDGsはその果たすべきターゲットといえます。

 国谷 企業が動くことによって社会を変革する。しかし、企業自体も、変わらなくてはいけませんね。

 有馬 価値を創出して収益につなげていくビジネスモデル、競争力をつけるための技術力や生産能力、どちらも変えていく必要があります。そうした時に、SDGsが示す17の課題が、とても参考になるのです。

 国谷 先駆的な欧米企業の共通点は何でしょうか。

 有馬 人権意識の高さや中長期的な視点、経営者の信念です。日本では四半期の結果を出さなくてはダメだということで、少し時間のかかる投資はしづらい。

 国谷 日本企業の方が長期的展望を持っていたと思うのですが、今は、近視眼的なのでしょうか。

 有馬 そうだと思いますね。けれども、SDGsに背中を押されて変わってきています。投資家も、社会課題への取り組みを判断材料に加え始めています。

 国谷 二酸化炭素の排出量で評価する動きもあります。社会課題への戦略がないと、資金を集めにくくなるということですか。

 有馬 資金が集まらないだけでなく、原材料や部品などの調達において、いいパートナーを見つけられなくなると思いますね。

 国谷 企業の取り組みにSDGsを浸透させていくときに、一番の大きな壁は何でしょうか。

 有馬 「いいことだからやろう」と株主や社内を説得するのは簡単ではありません。経営者自身が腹で納得して動かないと、進みようがない。結局は経営者の能力と心の問題だと思います。

 国谷 グローバルにつながっていないと思っている中小企業の背中を、どう押すことができますか。

 有馬 気候変動をはじめ、社会基盤が崩れかねないという点でつながりを考えてもらうことです。それに、中小企業の経営者には、世の中の役に立つのだという熱い思いを持っている方がたくさんいます。

 国谷 政府の実施指針にはSDGsを企業の本業に取り込むと書かれていますが、そう簡単ではないというのが、企業の本音では。

 有馬 ほめる仕掛けが必要です。先行することの「利」もあるわけですから。企業が世界のあり方にかかわる時代になったのです。経営者が勇気と信念をもって向かうことができるか。新たなグローバルな競争が始まっています。(構成=北郷美由紀、写真=時津剛)

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 有馬利男(ありま・としお) 241社・団体が参加するグローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン代表理事。元富士ゼロックス社長。
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 国谷裕子(くにや・ひろこ) 1993~2016年、NHK総合「クローズアップ現代」を担当。近著に「キャスターという仕事」(岩波新書)。

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