時代の変化に相応する経営理念とは

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時代の変化に相応する経営理念とは

人を大切にする経営学会 常任理事 奥村 繁子
福井県中小企業経営革新フォーラム 会長                   

VTFの誓い
1 仕事を愛し職場を明るくすること
1 まごころをつくし人格をみがくこと
1 知識技術と時間を大切にすること
1 常に夢と若さを保ち行動を第一とすること
1 不断の開拓とあと一割の努力を忘れないこと
  V(Vitality)やる気
  T(Try)挑戦
  F(Frontier)開拓魂

これは私が25年ほど昔に自分のために作った誓いです。
この頃は、電通の鬼十訓などの厳しい言葉が流行っていたころです。
私は私自身の戒めまたは座右の銘として、この言葉を墨書し自室に飾っていたものです。

ある時、部長が私に頼みがあると言って、この誓いを社員全員の誓いにいただけないかと言ってきました。
「これでよければ良いですよ。どうぞ」と言いました。
それ以来何度も皆さんで時代に合ったものや皆さんの想いが伝わるような理念を作ってほしいとお願いしましたが、これ以上のものは作れないと言って、今でも毎週月曜日の朝礼で唱和しています。
それでもあきらめずに何か作ってくださいと無理やりお願いしてできましたものが、次の経営理念です。

経営理念
1 私たちは、持てる力を十分に発揮して、地域社会と中小企業の発展に貢献します。
1 私たちは、中小企業に頼られる集団として、迅速丁寧な顧客第一主義に徹します。
1 私たちは、常に知識技術を研鑽開発し、知能集団を目指し豊かな人生を築きます。

この理念も作成されてから早や15年が経とうとしています。
どうしたら時代の変化に相応する経営理念ができるのでしょうか。
私が作ってそれを社員さんたちに使ってもらうのがいいのでしょうか。
私は上から目線ややらせのようなことはしたくないのです。
坂本先生の教えの「5人の幸せ」はどのように表現したらいいのでしょう。
この場をお借りして、どしどし皆さんからのご批評をお願いしたいのです。

昔、母から聞いた言葉に「親の意見となすびの花は 千に一つの仇もない」と言う教えがありました。今の若い方はお聴きになったこともないかもしれません。
私は坂本先生に師事していますので、坂本先生のご意見は親の意見だと思っていますが、親の言うことは聞きたくないのと同じように、先生の意見も
聞きたくない時があります。
そしてその結果、あ~あ先生の言われるとおりにすればよかったと反省することしきりです。

実は、私は人生の仕上げの仕事として、昔広大な山林を所有して林業を営んでいた方の文化財的な民家を修復し、かつて栄えた集落の文化遺産として後世に残したい、その上で竹田の村おこしをやりたいと思いました。
なぜなら事業の究極の目的は地域への貢献にあると考えていたからです。
そこで先生に相談しに静岡まで行きました。

先生は「それは素晴らしいことですね」とおっしゃってくださいまして、私はほっとしましたが、「そんなに素晴らしい文化財的な価値のある民家なら、行政が保存するべきです。正しいことですが不自然です。
奥村さんがやるべきことではありません」と真っ向から反対されてしまいました。

悄然として帰宅したのですが、もう傾いて朽ち果てようとしている古民家です。
行政が乗り出してくれるまでは待っていられません。
私はとうとう先生の言うことを聴かずに、その辺りの廃屋を撤去し、古民家の修復に取り掛かってしまったのです。それから悪戦苦闘の日々が続きます。

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