賢者の贈り物

野口具秋です。

血管の総延長は10万㎞にも及ぶのだそうだ。
ラジオでは、血管健康管理の放送が目立つ。
寿命より健康寿命が強く叫ばれている。
医療費が膨大になり、加速度的に増加するのだから当然だ。
健康は血液に酸素と栄養をどんどん流せばいいのだ。
便利過ぎる時代が大きな間違いを起こしている。
本物天然食材とゆったりした入浴がお勧めだ。
インスタント食品が人類を滅ぼす。

年に数回、オー・ヘンリー短編小説が放送される。
2割も理解できないが、真剣に耳を傾ける。
短編小説の名人オー・ヘンリーを知らぬ人は少ないだろう。
今回は「賢者のおくりもの」。若い貧しい夫婦の愛の物語だ。
月給80ドル、家賃週8ドル。
妻デラの所持金は1ドル87セントが残り全てだ。
イブの日、膝まである波打つブラウンの見事な髪を20ドルで売って、
夫ジムの金の懐中時計の鎖を21ドルで買う。
ジムは7時に帰宅する。髪を切ったデラを見て言葉が出ない…ジム…

高知市にある重度身障者デーサービス施設「いっぽ」を運営する
NPO・みらい方向図の山崎理恵さん(50)は、
3人目を出産し、歓喜するはずが失意のどん底に。
音十愛(おとめ)ちゃんは眼球がない口唇口蓋裂の
重度の障害を持って生まれた。
好機、偏見と差別の中で笑顔と安全に過ごせる居場所を創ろうとする。
当初まったく耳を貸さなかった行政も遂に動いた。
子育てに疲れ果て子を捨てたのは夫だった。

眼下に見る大木は紅葉が進む寒い晩秋の景色だ。
高校時代の同級生、知人の弟さんが相次いでがん死した。
遂に会葬礼状開発会社・マコセの五十嵐さんの講演を聞いた。
無味乾燥の礼状に腹が立つほど軽視されていた。
120人のライターが5分から長くて15分で作成していく。
家族に寄り添い、僅かの時間で故人の家族の思いを的確に表現していく。
この愛はどこから来るのだろうか。
生前葬ならぬ生前会葬礼状を作りたくなった。

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