企業の人財不足問題に思う

企業の人手不足問題が発生していると、各種メディアで報じられている。

事実、ある調査会社の調査結果
(調査期間は2017年10月18日~31日、
調査対象は全国2万3,235社で、有効回答企業数は1万214社
(回答率44.0%)によると、
正社員が不足していると回答した企業は49.1%と5割近くに達していた。

ちなみに、3ヶ月前の調査時から3.7ポイント増、
1年前の調査時からは7.3ポイント増加しており、
正社員の人手不足が、多くの企業で経営課題の1つとなっている
ことは明らかだ。

この問題の解消策として、これまで人にしかできないと考えられていた
仕事をAIが代わってすることで、深刻化する人手不足を解消する
AI化の推進などによる生産性の向上などが、
各方面で取り上げられている。
確かに、こういった施策を進めることで、人手不足の解消の一助に
なることは間違いないと思われるが、これで全ての問題が解消される
かといえば、そうとも言えない。

事実、サービス業などを中心に、年末年始の営業を取りやめる
動きが広がった。

実施企業の多くは、

「働きやすい職場にして従業員の満足度が高まれば、
利用客に対してもより満足度の高いサービスが提供できる」

「労働環境の改善と従業員満足度の向上につなげる」

などと、働き方改革の一環として説明しているが、
その裏には、人手不足問題があり、従業員満足のためというより、
人手がいないので営業ができないという本音があるように思われる。

では、企業はこの問題をどう解消していけばよいのか。

そのカギは定着率向上にあると考える。
現在の就職市場は、間違いなく求職者優位の売り手市場となっている。
就職希望先企業をじっくり選び、これまでのように複数社を応募する
ことも少ない。
当然、来るもの拒まずで採用活動していた企業では、
優秀な入社予定者の確保に苦しむことになる。

そこで苦しまないために求められるのが、
入口となる採用段階での絞込みだ。
人手不足なのに入口を狭くすれば、
ますます人財が集まらないと考える方も多いと思う。

しかし、本当に重要なのは、採用数ではなく入社後の定着率だ。
単純に、数多くを採用すればいいと言うことではない。
七五三減少と言われるように、新規学卒者は就職して3年以内に
中卒の7割、高卒の5割、大卒の3割が離職する。
これでは、いくら採用しても意味はない。

まず、入口となる採用段階で、自社の理念・働き方に共感できる
人材か否かを徹底的に見極める必要がある。
少なくとも、理念に共感していれば、他社で同種の仕事があった
としても、簡単に辞めることはないだろう。

さらに、採用後も定期的に、トップ・上司がface to faceでの
コミュニケーションを図ることも重要だ。
従業員の少しの変化に気づき、声をかける。
トップ・上司は常に自分の事を見ていてくれるという安心感が
会社への満足度に変わり、定着率を高めることにつながる。

これらを実行するには時間はかかるかもしれないが、
人財の定着こそが、企業の人手不足解消の最も大きな
対策になるはずだ。

人を大切にする経営学会 事務局支援スタッフ 坂本洋介

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