経営人財育成で思うこと・・

人を大切にする経営学会でも経営人財事業を今年度4月よりスタートし第2回目が終了しました。            
経営人財育成が重要であることは間違いない。企業の舵取りを行う経営者の力量(考え方・能力)により、関係者を幸せにすることも、逆に迷惑をかけてしまうことになるからです。

しかし、経営人財の十把一絡げ(ジッパヒトカラゲ)で考えてしまうことに、そもそものおかしいのではないかと思います。

類型化してみたいと思います。

類型1.大手企業でサラリーマンで昇りつめて経営者になる
類型2.自ら起業して経営者になる
類型3.オーナー企業で先代から引き継いで経営者になる 
類型4.グループ会社の事業関連会社の経営者になる
類型5.経営専門職として、雇われて経営者になる 例)サントリー 新浪氏等

上記、類型1~5で求められる経営者と、それぞれ求められる能力は異なるのは容易に想像できます。

1990年代後半以降、大企業中心に、「次世代経営者育成プログラム」が導入されてきました。
プログラムの柱は3つです。早期選抜
・ポテンシャルが高い人財、コア人財を早期に発掘、早い段階から育成
・経営人財の「選抜型」研修
・ビジネスリーダー開発研修プログラムコーポレート
・ユニバーシティ(UC)など

MBAがブーム(あえてブームと言いたい)になり、経営のプロフェッショナルを育てることを目的として、欧米式のプログラムが日本でも取り入れられました。慶応、一橋、神戸、早稲田 他、全国でMBAコースができました。アメリカでMBAを取得、グロービス経営大学院をつくった堀堀義人氏等もこのブームを起こすのに一躍を担ったと思います。

しかし、MBAブームは、2011年のピークまで新設が続き、その後、逆に閉鎖・縮小といったことになりました。

なぜか、いくつかの要因はあると思いますが、その一つは、経営者の類型化で言えば、類型1.類型2.類型5.で、ある程度、経営管理の仕組みが出来上がった企業の経営者にとって、知識・スキルを高める上で、それなりに役に立ったと思います。

しかし、類型2.類型3.の起業した経営者、オーナー企業、中小・中堅企業の経営者にとっては、参考になる面もあると思いますが、逆に、害になってしまった面もあるのではないでしょうか。

それは、起業した経営者、中小・中堅企業の経営者は、全てを背取っています。社員の雇用、資金繰り、その他、全てを丸ごと、四六時中考えて行動しなければ会社を発展させるところが、継続させることも難しいからです。
経営能力が高いといった場合、スキルや知識のように図れるようなものではありません。これは、それぞれの担当者が必要な能力
です。

株式会社吉村の橋本久美子社長は、お父さんから引継ぐ前は、専業主婦10年、会社勤めもしたことがありません。しかし、日本茶市場が縮小する中、社員を大切にしながら、好業績を上げ続けている名経営者の一人です。そして、お話を聞いていて感じるのは、決してMBAでは身につくことが難しい経営感覚を橋本社長をお持ちだということです。

私は、経営感覚は、スキル・知識を付与すれば高まるものではないと思います。
むしろ、
多くの本物の経営者に触れる
いい会社に訪問し感じる
社員と汗をかきながら大変さを感じる ・・

こうした経験を積み、さらに、社員をはじめとした関係者への責任感が伴ったときに、磨かれていくものではないでしょうか。
だから、坂本会長は、答えは現場にあり・・と言われるのだと思います。

他の大学院がやっていることを同じようにやるのであれば、人を大切にする経営学会が、あえて行う必要性は全くありません。しかし、まだまだ、批判を恐れず個人的な意見で言えば、多くの大学院でのMBAコースが、実際は、管理者育成講座であるという現状の中で、世の中に役に立つ講座であると確信しています。

近い将来、人を大切にする経営学会の経営人財育成事業が発展し、いずれ、正式な大学院の講座になるようになればと、心から願います。事務局としてしっかりと役割を果たしたいと思います。

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