書籍『幸せな職場のつくり方』【No11坂本研究室 2013年度 出版プロジェクト】

今回は、2013年度に坂本研究室所属のメンバー全員で取り組んだ出版プロジェクトについてその概要をご紹介させていただきます。

2013年4月新年度を迎え、坂本光司先生のもと7年目となる法政大学大学院政策創造研究科坂本研究室が約50数名の社会人学生で始動しました。そして2か月ほどの議論の末、当年度ゼミ生全員で取り組む出版プロジェクトは、『障がい者雇用でがんばる50社プロジェクト』となりました。(坂本ゼミでは毎年有難いことに先生と全ゼミ生による書籍を出版ささえていただいていました)

<このプロジェクトとなった理由・背景>
2008年に出版されベストセラーとなった『日本でいちばん大切にしたい会社』(あさ出版)の大きな流れの中、中小企業の経営者の皆様の中で障がい者雇用の重要性が認識され始め、さらに2013年4月には障がい者雇用率が1.8%から2.0%へ改定され、企業の障がい者雇用への取り組みに対する関心が高まっていました。
また、坂本研究室では、“いい会社”の共通点として、社員を大切にした経営の現場では、障がい者雇用に積極的であるという事実や、多くの事例が蓄積されていました。そのような職場が組織を良くし、社員の人間性を豊かにし、企業の文化や風土を醸成していました。その結果として業績が向上していくことが実感されていました。
坂本研究室では、障がい者雇用推進の原動力となってさまざまな事例を多くの皆さんにご紹介することが重要だと考え、このプロジェクトは始まっています。

<プロジェクトの大まかなスケジュール>
① 2013年4月~7月頃 執筆先・企業抽出と選定
この作業が意外に大変です。ゼミ生一人一人の思いや、業種業態、地域のバランス、そして何よりもどんな障がい者雇用なのか、ゼミで毎週議論を行い繰り返します。
② 2013年7月~12月頃 調査、取材、原稿作成(1原稿約2400字)
事前調査、取材ではゼミ生共通質問事項をまず伺って、さらに深堀したい内容を聞きます。現場見学などを終えていざ執筆開始。インタビューの文字おこし・メモの整理を見ながら構成を決めて自身と格闘します。
③ 2013年12月~2014年3月 初校・2校・取材先の確認・最終稿・校了
初校まで何度も修正の連続で、徐々に完成度を高めていきます。読むたびに違和感があり、文章を書くことの難しさを改めて思い知らされます。初稿提出後はゼミのグループ内で読み合わせをし、指摘をし合い、修正を加えます。提出後も出版社のプロから指摘をいただき、大幅な修正を行うこともありました。やっとのことで原稿が完成したところで、取材先へ原稿確認をお願いします。そして事実確認などご指摘に対応してやっと原稿完成に至ります。
④ 2014年5月頃 出版
出版社で最終校正や組版が行われ、最終確認を行います。また書籍のタイトルを決め、初版部数が決まり、完成を待つばかりとなります。

<最終的な書籍の概要>
書籍名 幸せな職場のつくり方 障がい者雇用で輝く52の物語
著 者 坂本光司&坂本光司研究室
出版元 ラグーナ出版
出版日 2014年5月31日

<書籍の構成>
はじめに
序章 なぜ障がい者雇用で会社が幸せになるのか 5つの法則
第1章 なぜ経営者の志が輝くのか (10社の事例)
第2章 なぜ社員が助け合うのか (11社の事例)
第3章 なぜ職場がうまく回るのか (9社の事例)
第4章 なぜ障がい者が生き生きと働くのか (11社の事例)
第5章 なぜ地域に愛されるのか (11社の事例)

<まとめ>
研究室の出版プロジェクトでは、文章を書く苦しさと楽しさを学ばせていただいたと同時に、その責任の重さを認識する経験となります。今回私の取材先は埼玉県熊谷市にある埼玉福興株式会社さま(http://saitamafukko.com/)です。障がい者の枠を超え、1次→6次産業へ拡大して生活の場・仕事の場を創造していく理念オープン型の組織です。取材先の思いや意義に思いを寄せ、その価値を見出して言葉にしていく作業は、たとえやる気があっても、なかなか思うようにはいきません。しかし書籍として世の中に出版されることで、ゼミ生が執筆したひとつひとつの企業は、今まで以上に公器な存在になり、常に気になる存在になっています。

***補足***
この投稿では2012/4~2018/3までの6年間法政大学大学院 政策創造研究科 坂本研究室で経験した【いい会社視察】・【プロジェクト】・【授業で学んだこと】を中心に、毎週火曜日にお届けしております。少しでもお読みいただく皆さまのお役に立てれば嬉しい限りです。個人的な認識をもとにした投稿になりますが、間違いや誤解をまねく表現等あった場合はご容赦いただければ幸いです。(桝谷光洋)

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