労災認定と会社の責任

労災認定と会社の責任

業務中に事故が起こらないことが理想的ですが、
時に事故が発生してしまうことがあります。この場合、
会社に責任が生じるのか、という問題があります。

▼会社の災害補償(会社の責任①)
労働者が業務上、負傷や病気等になった場合には、
労基法上、災害補償をしなければなりません。
これは無過失責任と言われていて、
会社に非がなくても保証しなければなりません。
労基法の97条以下で細かく定められている。
もっとも、労災保険の給付が行われると、この責任は免除されます。
この点で、労災保険制度はとても重要です。

▼会社の責任(会社の責任②
会社は、災害補償の他に、損害賠償義務が発生する場合があります。
分かりづらい内容ではありますが、災害補償の義務とは別に、
会社には、社員に対する安全配慮義務があります。
誤解を恐れず分かりやすくいえば、
社員が安全に業務ができるよう配慮する義務ということになります。
使用している機械の安全管理を怠ったり、長時間労働をさせたり
することが、この安全配慮義務に違反する行為となります。
賠償の範囲も、災害補償よりも広範になります。

▼労災認定と会社の損害賠償責任
「労災認定は、会社の責任を認めるものだ!」ということが、
言われることがありますが、これは誤解です。
 労災認定は、あくまで行政上の判断であって、
事実の認定も緩やかですし、労災を認めやすい傾向があります。
 これに対して、安全配慮義務は、民法上の責任であり、
事実の認定も厳格に行われますし、基準も異なります。
 たとえば、精神疾患を判断する労災の認定基準の中には、
企業において一般的・日常的に行われる適法な、
人事権行使の出来事も多数含まれています。
したがって、労災は認定されたが、
会社の損害賠償責任は認められなかったということ場合もあるのです。
 人を大切にする会社ではありえないこととですが、
巷の企業では、労働災害が発生した時に、
会社側が不必要に抵抗する場合を見かけます。
しっかりと安全管理をしているのであれば、
心配ありませんので、事故が起こってしまった場合でも、
積極的に労災認定に協力することも会社としては、
大切な姿勢だと思います。

  (学会 法務研究部会 常任理事 弁護士山田勝彦)                                  

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