有限会社プラスアルファ【No35いい会社視察2014/2/24】

今回は2014年2月に坂本ゼミ春合宿先のひとつとして訪問した『有限会社プラスアルファ』さんをご紹介致します。
http://www.24plus-alpha.com/yakan1.html

●概要(2014年ご訪問時の資料から)
有限会社プラスアルファ 
創業 1985年9月1日
代表取締役 小川 行治
本社所在地 福岡県福岡市東区松島2-3-36
資本金 300万円
従業員数 18人
事業 クリーニング業
取引先 西鉄グランドホテル、西鉄イン博多(福岡中心としたほとんどのホテル)岩田屋三越など
関連組織 2012年に一般社団法人 友愛を設立し就労継続支援A型事業所を開始
障がい者人数 精神障がい者10人、知的障がい者15人、身体障がい者10人

●社長の経歴と設立のきっかけ

“以前はお金もうけしか興味がなかった”とお話された小川社長。
“お金のもうけ話なら北海道から沖縄まで出かけた。お金しか信用しなかった。しかし騙され、何度かもうけ、また騙された”
そんな時に親戚の法事がありました。親戚に障がいをもった子供がいて働けない現状を知るのです。その時に全身が身震いし自分の仕事はこれだ!とわかったとお話いただきました。22年前のことでした。

●苦悩
事業は始めの頃全くうまくいきませんでした。障がい者はいう事を聞いてくれません。
そうすると、
“一生懸命おしえているのにと思い上がりが出てくる。
腹が立ってくる、イライラしてくる、八つ当たりする、手が出る、悪循環になる”
そんな時たまたま道を歩く親子が目にはいります。母親が小さい子の問いかけに、座って目線を合わせ接する姿を見たとき、障がい者にも同じように接する必要を理解したのでした。
それから3年くらいで少しずつ良くなっていきます。

●クリーニング業 
安定収入が必要となりクリーニング業を開業。
大手にはかなわないために差別化として24時間営業とします。どこもやっていませんでした。(社長自身が以前東京のホテルで23時に汚れてしまったスーツクリーニングを断られた経験から)
福岡にあるホテルに営業をして回ります。何度も頼みにいきます。ある時取引開始には保証人を要求されましたが、粘り強く交渉し保証人なしで取引開始で商談成立します。
1社と取引が始まるとすぐに大手ホテルが口コミで次々と顧客となりました。値段は定価。クリーニング業としてブランドを維持することを心掛け、品質に注意した。丁寧な手仕事。値引きはしません。
今では福岡で開催される芸能人のコンサート後のクリーニングはほとんどの依頼が同社に来るそうです。

●障がい者との接し方
ペットがペット好きの人を見分けて寄っていくのと同じで、障がい者も障がい者を好むか嫌うかを理解していると言います。
形だけの障がい者雇用ではなく、心のこもった雇用が大切だとお話されました。

●応募がきた順番に採用(ハローワーク求人)
ハローワークに求人募集をする場合は、応募がきた順番に採用しています。決して断りません。断ること自体が差別だと考えているのです。
その人を会社の戦力に変えていくことが会社の義務だと考えています。“障がい者雇用はリスクではなくチャンス。障がい者はダイヤモンドの原石”

●実習受け入れ
支援学校から実習生が来る時、通常、先生が実習計画を作っていますが、生徒が作るべきだと言います。障がい者であっても自分で作ることを求めています。2週間でも1週間でも2日でもいいと言い、生徒自身が自分で作ることが大切。先生が作ると生徒にやらされ感がでてしまいます。自分で作った計画であれば、生徒は今まで親や先生に見せたことがない姿を実習中に見せることも。
受動的な生き方から心の中にある前向きな自分に気付くことで新しい何かが始まるのです。

●将来の目標
・会社はすべて障がい者で運営したい
・最低賃金を20万円以上にしたい

●国への思い
今の仕組みは、
① 健常者に都合の良いような制度。実務を知らない・やらない行政が作っている。
② お金のバラマキ
③ 本気で障がい者の成長・育成をしようとはしていない
行政に携わる人が数年間でも現場を学び、働き、知ることが大切だと指摘します。

小川社長のお話は誰でもできることではありませんが、同時に誰でもできることだと思わせる説得力がありました。
人を、障がい者とか健常者とか発達障害とか区別をすることが当然のようになされている今の時代ですが、どんな人であっても大切に育てて芽を伸ばす手助けをすれば、それぞれの個性をもって育っていくのだと感じました。

***補足***
この投稿では2012/4~2018/3までの6年間法政大学大学院 政策創造研究科 坂本研究室で経験した【いい会社視察】・【プロジェクト】・【授業で学んだこと】を中心に、毎週火曜日にお届けしております。個人的な認識をもとにした投稿になりますので、間違いや誤解をまねく表現等あった場合はご容赦いただければ幸いです。(桝谷光洋)

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