働き方改革と就業規則④

働き方改革と就業規則④

人を大切にすることとルールとの関係について
▼そもそもルールは必要か?
理念が浸透し、人を大切にしている会社では、
服務規程のようなルールは必要ない、という考え方もあります。
確かに厚労省のモデル就業規則には、服務規程として、
「会社の名誉や信用を損なう行為をしないこと」とか、
「酒気を帯びて就業しないこと」などというように、
あまりにも当たり前の規定が例として載っています。
以前に酒気を帯びて仕事をしていた社員がいたというような
特別な会社でもない限り、このような規定は必要ないと思います。

▼人を大切にすることは、「人を甘やかすことではない」?
しかし、一方で人を大切にすると言うことは、
人を甘やかすことではないという考え方もあります。
特に社会経験が少ない新入社員にとっては、
何が正しいか正しくないか、何が自然か自然でないか、
の区別がつかない場合もあります。このような場合に、
ある程度明確に服務規程を定め、社員に徹底することは、
むしろ人を大切にすることになるのではないかと思ったりします。

▼副業の是非とルール
働き方改革の影響で、副業を認める企業も多そうです。
しかし会社として一定の基準を設けることが必要だと思います。
お金のために副業を選択する社員がいる場合には、
そもそも自社の給与に不満がある場合であり、気をつけないと
副業により全体で長時間労働になってしまう可能性もあります。
一方で、ソーシャルビジネスに関与したいとか、
起業をしたいとか、自己の成長のための副業を
選択する場合もあるでしょう。
それは前向きな働き方かもしれません。
しかし、会社にとってみれば、勤務時間との明確な区別や
会社の秘密保持など心配なことも多くなります。
このような場合には、あいまいにせず、よく社員と話し合い、
仮に副業を認める場合には、明確なルールを設定することにより、
社員も惑いなくいろんな選択ができるようになると思います。
人を大切にするからこそ、ルールが必要な時代に
なってきているのではないでしょうか。

(学会 法務研究部会 常務理事 弁護士山田勝彦)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です