働き方改革と就業規則⑤

働き方改革と就業規則⑤

同一労働同一賃金とは
▼法律は意味不明?
 同一労働同一賃金は、法律としては
①「短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に
関する法律(短時間・有期雇用労働法)」と
「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の
保護等に関する法律(労働者派遣法)」で定められています。
 有期雇用法を例に、どんな文言で規定されているか、
見てみると、とんでもない文章であることが分かります。
「第8条 事業主は、その雇用する短時間・有期雇用労働者の
基本給・賞与その他の待遇のそれぞれについて、
当該待遇に対応する通常の労働者の待遇との間において、
当該短時間・有期雇用労働者及び通常の労働者の業務の
内容及び当該業務に伴う責任の程度
(以下、「職務の内容」という。)、当該職務の内容及び配置の
変更の範囲その他の事情のうち、当該待遇の性質及び
当該待遇を行う目的に照らして適切と認められるものを考慮して、
不合理と認められる相違を設けてはならない。」
 主語は、「事業主」、述語は「相違を設けてはならない」
とは分かるものの、間の文書が全く読み取れません!
文書は句読点を付けて、できるだけ短い文書で、
と小学生のころ先生から教わりましたが、
法文を作られた方は恩師の教えを忘れてしまったのでしょうか。

▼いいたいこと
 要は、「通常の社員」(正社員)と有期雇用(パート等)社員
との間で、仕事の内容、配置転換が認められる社員か否か、
その他の諸条件が同一の社員は、正社員であろうと
有期雇用社員であろうと同じ待遇をしなさい、
といっているに過ぎません。逆に仕事の内容が違う、
配置転換が認められていない、現在の仕事に対する経験値が違う、
などの合理的な理由がある場合は差を設けることもできる
ということになります。

▼つまるところ・・・
 結局、同一労働同一賃金の判断をするに際しては、
坂本光司先生がいつもおっしゃっている
「正しいか否か、自然か不自然か」で判断すればいいのです。
わかりやすく国民に説明できなければ、
法律なんて何の意味もありません!

 (学会法務研究部会 常務理事 弁護士 山田勝彦)

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