働き方改革と就業規則⑥

働き方改革と就業規則⑥

有給休暇は誰のため?
▼年5日の有給休暇時期指定の義務付け
今回の働き方改革法により10日以上有給休暇を取得できる社員が、
5日未満の有給休暇しかとらない場合に、
5日の有給休暇を取れるよう会社が「社員の意見を聞きつつ」、
有給休暇を取る日を指定することが義務付けられました。
義務を果たさないと社員1名につき、
それぞれ会社に罰金が課せられます。
なお、ここでは、「社員の意見を聞きつつ」
というのが肝になります。社員の意向も確認しないまま
勝手に付与することはできません。

▼計画的付与
社員の意見を確認しながら時期を指定するのは
大変面倒なことです。そこで、会社としては5日分、
労使協定をした上で、計画的付与をしてしまえ!
と考えることになります。
労使協定で整え、5日間を計画的に付与させることにすれば、
有給休暇時季指定義務を果たしたことになります。
しかし、会社が一方的に決めるのは、例え労使協定を経たとしても、
本来の有給制度のあるべき姿に反することに
なるのではないでしょうか。
働き方改革は働く人々のために制定されたのに、
これでは本末転倒です。

▼社風が重要
つまるところ、この法律が制定されたのは、
有給休暇が取りづらい会社が多いからです。
制度としてはあるものの、他の社員も有給を取っていないとか、
有給申請をすると上司から嫌な顔をされるとか、
他の社員に迷惑がかかるか心配で取れないなど、
取りたいのに取れない社員がいることが問題なのです。
社員が積極的に有給休暇を取っている会社にとっては、
この義務は課せられません。
法律の義務を守るよりも、有給休暇が取りやすい
社風づくりの方が大切なのではないでしょうか。

(学会 法務研究部会 常務理事 弁護士山田勝彦)

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