事業承継①

事業承継①

多くの中小企業が承継者がいないために事業を廃止するような
事態が大きな社会問題となっています。
 ところで、皆さん、種類株式につきましては、色々ご承知のことと思います。
はやりの「黄金株」(拒否権付き株式)などというのもありますが、
今回ご紹介するのは、「株式の属人的な定め」です。

▼たとえば、社長である父親が700株、
社員その他の取引先で300株の会社で、
長男が事業承継をすることになりましたが、長男は株式をもっていません。
 しかし700株を譲り受ける資産がなく、
このままでは、事業を承継できない可能性があります。
 こんな時に、株式譲渡制限をしている会社であれば、
「株式の属人的な定め」により例えば創業家(直系血族)のみ
1株の議決権を多くする、例えば20議決権とするような定めをします。
 すると父親は700株ですが、14000議決権となります。
 長男は100株を取得し、残り600株は
社員や取引先に購入してもらいます。
 すると、長男は100株ですが議決権は2000議決権、
社員や取引先は合わせて900株で900議決権となります。

▼議決権だけを変更するため、税務上はあくまで評価は100株であり、
配当等も100株としての配当しかもらえませんが、
経営自体はこれで安定的に可能となります。
定款変更のみで可能であり、そのために4分の3の賛成が必要となり、
また実際に行う場合には、通常全株主に同意してもらうこととなりますが、
種類株式のように登記簿謄本に載ることはありません。
もっとも少数株主権は残ったりしますので、この方法を選択するかどうかは、
様々な状況を分析した上で実施されることになると思います。
 会社法は色んなバリエーションを可能としてくれます!

(学会法務研究部会 常務理事 弁護士山田勝彦)

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