働き方改革と就業規則⑦

働き方改革と就業規則⑦

時間外労働と36協定
▼上限規制の設定
今回の働き方改革の重要なテーマとして、
時間外労働の上限規制が設けられました。
ご承知のとおり、これまでの労働基準法では、
社員との間で36協定を締結すれば、
事実上無制限に時間外労働ができるようになっていましたが、
「働き方改革」法により、上限が設けられました。
単純化すれば、
①1ヶ月の時間外労働時間+休日労働は100時間未満、
②1年では720時間以下、
③1ヶ月45時間を超えることができるのは6ヶ月以内、です。

▼特別条項と36協定の新様式について
今回の改正により「通常予見することができない業務量の
大幅な増加等に伴い臨時的に必要がある場合」(特別条項)
という要件が付きました。
それにともなって、36協定の書式も変更されました。
中小企業は一般的には2020年(業種により異なります)
から新書式により36協定を届出ることになります。
その際、特別条項に関する記載が必要となります。
そこでは、「時間外労働をさせる必要のある具体的事由」を記載する
こととなっていますが、「通常予見することができない業務量」が
発生した場合であるにも関わらず、その内容を事前に具体的に
記載するようにという相矛盾する要求がなされています。
また限度時間を超えて時間外労働をさせる場合も割増賃料率を
記載する項目があり、書式では「この場合、法定の割増率
(25%)を超える割合率となるよう努めてください。」
と記載があり、努力目標として、法定の25%より多い
割合率の設定が要求されています。

▼所定労働時間内で働くということ
経営者の中には、残業はさせたくないけど、社員がどうしても
残業をしてしまう、というご相談を受けることがあります。
残業を命じていないのに社員が勝手に残業をしても、
多くのケースでは使用者に「黙示の指示」があったとして
割増賃金を支払うよう求められてしまいます。
このような場合には、残業禁止命令を出すことができます。
ただ残業をしなければ間に合わないような仕事量を任せていながら、
形式的に残業禁止命令を出しても、裁判では残業として割増賃金の
支払いが認められてしまいます。残業禁止を命じる場合には、
所定労働時間内でこなせる仕事量にしていなければなりません。

(学会 法務研究部会 常務理事 弁護士山田勝彦) 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です