事業承継②

事業承継②

すでに30年以上事業継続をしている会社、
特に平成2年の商法改正前に会社を設立している会社の場合、
いわゆる「名義株」について注意をしておく必要があります。

▼ご承知のとおり、平成2年より前に会社を設立する場合、
最低7名以上の発起人が必要でした。
中小零細企業が会社を設立する際に7名もの発起人を
募るのは容易なことではありませんでした。
そのため、友人、先輩や後輩、親戚に名義を
借りることが多くありました。
名義を借りているだけですので、実際に出資をしていたのは
社長一人だけというようなことがありました。
これらの株主は、名義を貸しているだけなので、
実質的な株主ではなく、その自覚もないため、
名義を貸した本人も忘れていることが多くあります。

▼しかし、その名義を貸していた本人が亡くなり、
相続となった場合、子ども達はその事情を知る由もありませんから、
父親が●●株式会社の株主だったとして、
株主としての権利行使をしてきてしまうということが起こりえます。
特に親戚だったりすると、このような事態を招きかねません。
また、名義株であることを、会社の承継者である新社長が知らずに、
一度でも配当をしてしまうと、その名義株の株主は
実質的な株主として確定してしまうことになり、
後から名義株だったと主張できなくなってしまいます。

▼このようなことにならないよう名義株は、
早めに解消しておくことが望ましいところです。
すでに会社法が施行された際に名義株は実質的な
株主に変更を済ませている会社は問題ありません。
しかし、まだ済ませていない会社では、
名義を貸している人から、例えば
「名義株確認書兼名義書換承諾書」に実印で署名捺印をもらい、
かつその書面の作成日以前の印鑑証明書をもらっておくなどして、
対処しておくことが急がれます。このような書面をもらっておけば、
直ぐに名義書換を済まさなくても大丈夫です。
思わぬところで、株主間の紛争が生じてしまい、
事業承継がうまくいかず会社の社員や取引先、ひいては
お客様に迷惑がかかることがないよう早急な対応が必要です。

(学会 法務研究部会 常務理事 弁護士山田勝彦)

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