経営理念力格差

「私たちができない・やれない、正しいことをしている人がいたならば、私たちがやるべきことは、その人を支援することである。私たちは決して傍観者であってはならない」とは、坂本ゼミ内での坂本教授の口癖です。

「いい経営理念は会社を変える」(坂本光司教授&坂本光司研究室)の取材先企業も、障がい者や高齢者など、社会的に弱い立場にある方々に対し、雇用や仕入れなどを通じて、愚直一途に支援活動に取り組んでいる企業や人々を意識して紹介しています。

ご本の中で、「近年の企業間の格差は、経営戦略や規模、業種の格差ではなく、経営理念力格差ではないか」といった思いを軸に展開されています。56社の企業の「経営理念の意味・思い」「理念の浸透策」「将来ビジョン」の3節にまとめてられています。読み返しても、現実の56社のさまざまな理念経営にまつわる話は、具体的で独自性があり有効なもので、みなさまの理念経営に有益なものになると思います。

たとえば、群馬県高崎市の「株式会社まるおか」は、人々の健康に貢献する安全な商品のみを厳選して販売するこだわりの高品質・高価格のスーパーです。着実に業績を伸ばしています。その経営理念は、、「1お客様の満足 2従業員の幸せ 3より良い社会づくりー良い社会とは、病人を減らし、健康人を増やしていく社会!」です。

なんと、あえて立地は、イオンモールの隣を選びました。これには、社員も家族も、「すぐに潰される!」と大反対でした。しかし、まるおかの丸岡 守 社長は、「商品もターゲットも大型店とは真逆だから、お互いに食い合うことはない、むしろ集客上の有利さが大きい」、と考えてイオンモールの隣への移転を英断します。

経営理念を商品に徹底的に反映させ、突出させた小売店として、価格が高くとも、安全・安心かつ美味しい商品は、愛顧客の心をがっちりとをつかんで離しません。

さて、あるメンタル講座の中で、自分の人生理念、家庭理念、仕事理念をまとめるワークをやってみましたが、面白かったです。経営理念から、人生理念、家庭理念、仕事理念などへと理念づくりを横展開したとイメージしてください。

私の人生理念は、もう還暦を過ぎましたので、「世のため人のために役立つ人生」にしてみました。坂本教授の影響です。少しでも実現できるよう頑張ります。経営理念について坂本教授は、「経営理念は全社員の精神的支柱・心のよりどころ的性格のものなので、少し漠とした表現の方がいいと思います」と仰っていますので、上記のようにアバウトにしました。

次に私の家庭理念ですが、「対話ができる家族」です。私は一人で抱え込む癖があり、結果、家族に迷惑をかけるときがあるので、「対話」を重視して挙げました。自分への戒めも兼ねています。

「仕事理念」は、「突き抜ける力で、人の役に立つ」です。まだ突き抜けていないので、自分にはっぱをかけているのです。

人生理念、家族理念、仕事理念を、会社内で、あるいはご家庭で共有なさるとよろしいと思います。特に家庭理念は奥様お子様方など全員参加でお創りになり、お互いすり合わせして共有なさると、齟齬が無くなり円滑な家庭経営ができてよろしいと思います。理念にメンバーが共感するチームは、足し算ばかりか掛け算となり生産性が上がりうることは、会社ばかりか、家庭でも同様と思われます。

(人を大切にする経営学会 東北支部 本田佳世子)

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