株式会社芝寿し【No70いい会社視察2014/9/8】

今回は2014年9月に坂本ゼミの北陸合宿先としてご訪問した『株式会社芝寿し』さんをご紹介致します。
当日は月曜の午前に朝礼に参加させていただいてから2代目の梶谷晋弘代表取締役(当時)にお話を伺うことができました。
そして1か月後に息子の梶谷真康専務取締役(当時)が3代目として代表になることが決まっていた時期でした。

  
●概要 (現在のHPを参照) https://shibazushi.jp/
住所 石川県金沢市いなほ 2-4
設立 昭和22年5月
創業者 梶谷忠司氏(梶谷 晋弘のお父様)
資本金 4,880万円
役員 [取締役会長] 梶谷 晋弘
[代表取締役社長] 梶谷 真康
[取締役] 梶谷 眞理
[取締役] 梶谷 美紀
従業員数 [社員](男28名・女32名)60名
[パート他](男102名・女407名)509名

●創業
創業者であるお父様;梶谷忠司氏は大阪出身。お母様は富山出身。父は戦争中、外地に出征していました。終戦時、大阪は焼け野原だったことから親戚を頼って現在の金沢市へ来ています。
昭和20年からさまざまな商売を行い、13年間で11種類にもなっていたそうです。
そして昭和33年に電気屋をはじめます。当時は東芝が電気釜を発売した時期でした。店頭でご飯の実演販売をしました。しかしまったく売れませんでした。保温機能がない時代。当時は薪でご飯を炊くことが常識の時代。人々は電気でおいしいご飯が炊けるわけがないと考えている時代でした。
覚めたご飯は家族では食べきれませんでした。困ったお母様がお祭りの記憶から、押し寿しをつくるようになります。そのアイデアを活かして店頭で販売を始めました。初期の名称は 『東芝寿し』。ほどなく東芝からクレームがあり、『芝寿し』となりました。昭和33年のことです。

●笹寿しの誕生

創業者;梶谷忠司氏が、ある神社に行った際、お土産に持って帰った「笹でくるんだお餅」を参考にしたことがきっかけとなり、笹でくるむお寿司の製品開発を行いました。
発売初日 100個製造、50個販売
2日目 200個製造、100個販売
3日目 300個製造 150個販売
商品開発を任されていた息子;梶谷 晋弘氏(2代目社長)は、“半分売れない”と報告。
それに対して、父は“売れた数をなぜ報告しない!”と息子を怒鳴りつけたといい、そのような思いなら会社に来なくていいとまでいったそうです。新商品に対する思いの強さを教えられたとお話くださいました。
いまでは笹寿しは同社売上の1/3を占めています。

●入社時のエピソード
2代目、梶谷 晋弘氏が入社時、はじめの仕事はご飯を炊くことと言われました。
ある先輩の男性社員につきましたが、毎日掃除の指示ばかり。床や壁、釜の掃除です。ある日先輩がお休みの日にご飯を炊くことになりましたが、教えられていた同じ手順でやっても美味しく炊けませんでした。先輩はお米が立っていてピカピカ。一方2代目の場合は艶がなくお米はたっていません。
手順として唯一の違いは、先輩が釜に蓋をする直前に、“水面をなでるように触り何かつぶやいていたこと”。先輩は“ご飯へのおまじない”といい、今になって、どれだけ良い材料や機材を使っても思いがなければよい結果は得られないということだとお話されました。
“思い 想い 念い”

●予約キャンセルの仕組みがあります
同社はお弁当によく利用されています。視察に伺った9月は月末に運動会のピークを迎えるタイミングでした。すでに予約は13,000食あるといい、金額でも800万円以上に上ります。しかし雨となった場合、同社では当日のキャンセルを受け付けるサービスがありました。
通常企業側の判断としてはまずあり得ないことではないでしょうか。しかし同社では当日キャンセルが可能なのです。(一定のルールがあります)
遡ること約20年前、PHPの松下幸之助の話に触れる機会があり、“雨の日は傘を売る”つまりお客様に必要なことをやる、と聞いた時、同社に照らし合わせた創業者は、雨の日キャンセルを思いついたのです。メーカーのリスクはお客様のメリットだと考え、お客様を優先したのです。
過去に雨によるキャンセルの影響など詳細を伺うことはできませんでしたが、毎年恒例の運動会の日に不思議と雨は少ないというお話でした。
そもそも運動会に多くの家族が同社のお弁当を選んでいることは、同社が地域に愛されていることを証明しています。

●最後に
現在の芝寿しは売上39億円、受注方法として約半分は予約、半分は店頭販売。(直営26店、FC10店舗)

平成27年北陸新幹線開通の年には新工場(建坪1700坪・庭付きの売店を併設)が完成予定でした。
また、大学院では視察に伺う会社の経営者の多くから、学び続けていることの大切さを感じさせてくれますが、2代目の梶谷晋弘代表取締役は商業界ゼミナールに60年間連続して出席とのことでした。
4,5年前の商業界ゼミナールの実行委員長となり、坂本先生に基調講演を依頼されています。
また日創研にも学んでいるとのことで、その人間性を重視した生き方はあるべき姿だと感じました。

***補足***
この投稿では2012/4~2018/3までの6年間法政大学大学院 政策創造研究科 坂本研究室で経験した【いい会社視察】・【プロジェクト】・【授業で学んだこと】を中心に、毎週火曜日にお届けしております。個人的な認識をもとにした投稿になりますので、間違いや誤解をまねく表現等あった場合はご容赦いただければ幸いです。(人を大切にする経営学会会員;桝谷光洋)

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