視察報告 くればぁ

今回は人材塾2期生の講義で、愛知県豊川市にある株式会社 くればぁさんについて調べました。1966年4月縫製業として愛知県蒲郡市に創業した同社ですが、現、2代目中川原 毅氏が社長として経営されています。社長は高校卒業後、大手工具メーカーで技術者として約5年間働いた後、同社に入社。従来からある縫製というコア技術に着目して、メッシュ加工に方針転換。様々なアイデアで用途開発を行ない、2万種類に及ぶメッシュ製品を取りそろえるまでに成長。代表例では、レアメタルの一種で耐熱性が高いモリブデンのメッシュは、航空機エンジンの鳥よけフィルターとして航空機メーカーが採用。従来のステンレス製よりも耐熱性が高く、耐久年数を4倍に延ばせるという。その他には、日本上陸前にヒアリに効果のある虫よけシートの開発などもしている。CSRも取組む同社はCSRからヒット商品が生まれたユニークな事例もある。同社は、西アフリカで流行したエボラ出血熱の感染予防のため、約1万枚のマスクをアフリカ諸国に無償提供し、ギニア大使から感謝状が贈られた。こうした話を聞きつけたスポーツ関係者から「花粉症に悩む選手のためにマスクを作ってほしい!」と依頼を受け、新たな商品開発に着手。花粉症を研究する埼玉大学の研究者の協力を得て開発に乗り出した結果、今ではマスクは1枚 10,000万円以上もする製品化に成功している。

その性能の高さは、一般的なマスクは0.3マイクロ(マイクロは100万分の1)程度の粒子を補修することが出来るが、くればぁのマスクはそれよりも小さい0.1マイクロメート以上の微粒子を99%以上捕集することができる。また、顔のサイズに合わせてオーダーメード対応を実施。手洗いで約100回の再利用が可能だそうです。
安価なタイプを含めたシリーズで約40万枚を売るヒット商品!とメッシュ加工という技術から素晴らしい商品開発をする企業です。以下のようなことをしっかり実践されている同社はこれからの中小企業のあるべき姿のお手本ではないかと思いました。
・縫製下請け業からメッシュ加工をコア技術として他社にない技術を極め元請業になる。
・中間流通を省いて直接ユーザーのニーズに対応。他社が嫌がるな商品を取り扱い。少量多品種生産。
・他社の追随を請けない、真似されにくい(従業員ひとり一人が様々なメッシュを加工できる技能を持つ)
・数千社と取引→特定の顧客の発注に左右されない経営。
社長は、商品を作るよりも、市場を創ることを意識しているそうです。
今後もくればぁは注目していきたい企業の1社である。
HP http://www.nippon-clever.co.jp/

人を大切にする経営人材塾2期生  喜多茂樹

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