働き方改革と就業規則⑳

働き方改革と就業規則⑳

▼知らないと怖い「就業規則」
就業規則の規定には3つの種類があります。 それは、
①労働時間、賃金、退職などに関する必ず規定しなければならない内容
(絶対的必要記載事項)、
②事業場の労働者全てに適用されるような規定を作る際には
就業規則に規定しなければならない内容(相対的必要記載事項)、
③規定してもしなくてもよい内容(任意記載事項)です。
このように任意記載事項が認められていますので、就業規則の中に
経営理念や社員憲章などの規定もいれることができます。
しかし、一方で、知らない内に入れてしまっているものの、
その影響が大きい規定もあります。
これらはよく確認しておく必要があります。

▼御社の就業規則に入っていませんか?
就業規則には、一般的に第1章を「総則」とし、
第1条に目的として就業規則についての説明がなされています。
その中に、「この規定以外の項目は、法令による」という
条項が入っているケースがあります。
御社の就業規則はいかがでしょうか?
厚労省のモデル就業規則にも「第1条の2項」で
「2 この規則に定めた事項のほか、就業に関する事項については、
労基法その他の法令の定めによる。」という規定が置かれています。
この条項は、就業規則に記載のないものでも、
各種法令に規定されているものはその法令に従います
ということを決めていることになります。
つまり、就業規則が労使間の契約内容だとすれば、
全ての法令の規定も合意の内容になるということになります。

▼「法令による」との規定は不要です!
このような規定は、法律に従うのだから当然だと
思われるかもしれません。確かに法令の中には
罰則規定などがあって企業として守らなければならない
規定も多くありますが、一方で、たとえば労働安全衛生法のように
企業に対して努力目標を設定しているにすぎない規定も、
労使間の労働契約の内容になってしまう可能性があります。
最初に書いたように就業規則の中には、
絶対に記載しなければならない内容がありますが、
その中には「法令による」という規定は含まれていません。
したがって、このような規定は記載しないことをお勧めします。

(学会 法務研究部会 常務理事 弁護士山田勝彦)

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