働き方改革と就業規㉗

働き方改革と就業規㉗
▼副業、労災認定しやすく(厚労省案)
 2019年12月23日の日経夕刊に、
「副業、労災認定しやすく 保険給付、賃金を合算」
との記事が出ていました。
副業については何回かコメントをさせて頂いておりますが、
私は賃金を得るための副業には反対です。
副業を認めるとしても、賃金目的ではなく、社会・地域貢献、
福祉的事業への参加、自己成長目的など、
金銭目的以外の方法によるべきです。

▼長時間労働認定に複数の勤め先労働時間を合算する方向の疑問
長期労働認定について、副業をしている社員の
複数の勤め先時間を合算することは、
制度としては確かに社員のためになっているように思います。
しかし、日経の例でも取り上げられていましたが、
副業を行い、A社で週40時間、B社で週25時間働いている場合、
A社では法定労働時間の範囲内ですが、
b社を加えると残業時間は月100時間となります。
この結果過労死ラインを超えることとなります。
しかしA社では本人の健康や働き方を管理しようと思っても、
週40時間勤務であるので、あまり問題視されません。
そしてその社員の副業の実態まで把握することは
なかなか難しいところがあります。
これに対して、社員からすれば、副業をしなければ生きていけない!
ということになると思います。
▼問題は何か
「働き方改革」は、一面では勤労者の働き方のバリエーションを増やし、
人手不足を補い、経営活動を活発化させて、
日本の経済を盛り返そうという目的がありますが、
他方で恒常化されてしまった低賃金の非正規社員の収入アップの
目的がありますが、この賃金取得目的の副業を定着化させてしまうと、
ますます非正規社員の低賃金化までも定着させてしまうことになります。

▼社会貢献型・自己成長型副業の推奨へ
本来めざすべき「働き方改革」は、本業の企業が収益を上げて、
社員へ賃金として適正な分配をすることにより、
社員の生活の安全・安心を図ることです。
皆さんご承知のとおり、伊那食品工業(株)の塚越さんは、
収益のない会社が社員を大切にできるはずはないと言っておられます。
そして、社員の生活の安全・安定を図れる会社が、
社員の副業を認める場合とは、社会貢献型、
自己成長型副業に限るべきだと思うのです。
 本年は最後の投稿となります。来年は1月10日からとなります。
皆さん、いいお年を! 

(学会 法務部会 常務理事 弁護士山田勝彦)

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