忍耐が大切

忍耐が大切

▼「北洋建設」小沢輝真社長

 「ザ・ノンフィクション」で2回にわたり特集が組まれた

「北洋建設」の小沢輝真社長。学会の多くの方が見られたと思います。

脊髄小脳変性症で、一人で歩くこともできない小沢社長は、

生涯の目標として、受刑者の更生の手助けをしたいと

受刑者雇用に努めています。坂本先生も応援されています。

受刑者の再犯率

 法務省だよりによれば、昭和23年から平成18年までの間の

100万人の抽出データによれば、初犯者は全体の71.1%、

再犯者は28.9%と再犯者の方が少ないですが、

事件数は初犯者が42.3%、再犯者が57.7%で、

全体の約3割の再犯者が約6割の犯罪を起こしていることになります。

また刑務所を出所後の帰住先の有無でみると、

帰住先のある人の34.3%が再犯、帰住先のない人の52.5%が再犯で、

帰住先がある方が再犯率は低いのです。

また保護観察が終了した時点での職業の有無でみると、

職のある人に比べ、職のない人の再犯率は約4倍との統計が出ています。

▼北洋建設の取り組み

 このように、帰住先や、職があれば明らかに再犯率は低下しています。

「北洋建設」は受刑者に職と寮(帰住先)を提供しています。

しかし、前述したように帰住先があっても職があっても

一定数は再犯となってしまいます。いくら環境を整えても、

更生できるか否かは、最後は本人次第のところがあります。  

本人が再び自分に負けてしまえば、会社や小沢社長を

裏切ることになります。小沢社長は、どんなに裏切られても、

諦めず、受刑者を信頼し続けようとされています。

本当に、経営には忍耐が大切です。

(学会 法務研究部会 常務理事 弁護士山田勝彦)

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