No144記憶に残る経営者の言葉44 水上印刷(東京都新宿区;印刷業)水上 光啓社長(当時)
今回は2012年11月に視察させていただいた水上印刷さんをご紹介致します。
同社は坂本先生と研究室に所属す有志メンバーで取り組んだ出版プロジェクト「なぜこの会社に人財が集まるのか?(商業界)」として取材させていただきました。
水上印刷さんの特筆すべきことは「採用と社員教育」です。
採用では、内定までには平均10回のステップがあり、“相思相愛で入社したい人・してほしい人”を見極めています。ちなみに視察に伺った2012年、エントリーは約1100名、採用は数名という狭き門でした。
また社員教育では、多様なメニューが開発されており年間200回以上の研修から選択することができます。新入社員は初年度850時間ものOJF/OFFJT研修がありました。取材当時DTPエキスパートを取得した社員は約60%となっていて、同社の規模における同業他社では類を見ないのではないかと思います。
水上社長(当時)のお話から印象的だったこと
“60才を越えて色々なものが見えてきたと言い、人財を一目見た直感は結構当たる”
“仕事できる・できない、情熱ある・ない、結論出せる判断力がある・ないがわかる”
“今までの印刷業は製造業で、「情報」を伝えていたが、これからは「感動価値を創造すること」が大切。そのためには感性が高く、提案力のある社員を育てていくことが大切”と力説されていました。
“生き残る ではなく 勝ち残る”
“社長の仕事として
会社の方向性を明確にする
経営者として情熱を持つ
新しいビジネスモデルを作り上げる社員をつくる”
水上印刷は印刷業を製造業と捉える従来の固定観念からいち早く離れていました。そして坂本光司先生が指摘される経営とはどういう業かについての答えがありました。それは環境適応業であり、市場創造業であり、人財育成業でした。その経営の姿は、簡単ではないけれども、どの経営者であっても目指すことのできる明確な道筋だと思わせる説得力がありました。
以前に投稿した記事は 水上印刷株式会社【No82いい会社視察 2012/11/12】 です。このブログ内を検索してご参照ください。
***補足***
この投稿では「法政大学大学院 政策創造研究科 坂本研究室」や「人を大切にする経営学会」での経験をもとに毎週火曜日にお届けしております。個人的な認識をもとにした投稿になりますので、間違いや誤解をまねく表現等あった場合はご容赦いただければ幸いです。(人を大切にする経営学会会員;桝谷光洋)
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