人にやさしい経営、その優しさとは

 はじめまして、人財塾3期生の長谷川と申します。先週の鈴木さんに続き、ご縁があり今回のブログを担当させていただくことになりました。この経営学会ブログは2008年5月23日から今日までの間、一日も欠かすことなく更新を続けています。その水曜日枠を担当してくださっていた1期生、2期生の皆様、本当に有難うございます。

 私は神奈川県横浜市のリフォーム会社、さくら住宅に所属しております。弊社は平成9年創業以来、「リフォームを通じて社会のお役に立つ会社になる」ことを経営理念に掲げ、地域の皆様、お取引先様に支えられ現在に至ります。創業者である二宮生憲会長は、私たち従業員のために社員第一主義、5方よし経営を実践し続けています。社員とその家族、仕入先・協力業者、顧客(現在顧客、未来顧客)、地域住民、株主・出資者の幸せを常に考え、目に見えないところで必死に会社を守り続けています。意識せず働いていると、今あるものが当たり前に感じ、感謝の念や謙虚な気持ちが薄れていくことがあります。ある時、その気付きを得る機会がありました…。

 さくら住宅では定期的に「いい会社訪問」と称し、全従業員が日本全国のお手本となる企業を訪問し、学ばせていただく機会があります。延べ数十社を訪問させていただいた中で、株式会社協和の若松前社長の一言が印象的でした。(若松前社長は2020年8月に逝去されてしまいました。心からご冥福をお祈りいたします。)

「強くて優しい会社をつくる」

 はじめて聞いたときはよく意味が分かりませんでした。若松前社長は常日頃、従業員に対して「何のために仕事をしているか」「何のために会社が存在しているか」を考えるように、と伝えていたそうです。その意図は「仕事はお金儲けをするためではなく、お客様に喜んでいただくことが目的。そのために日々努力を惜しまない」ということでした。同社は3・11の被災地の子供たちや母子支援施設へランドセルを寄贈したり、一人でも多くの子供たちにランドセルを背負ってもらいたいという願いのもと、障がい児用のランドセルを(一般ランドセルと同価格で)オーダーメイドで作っています。自社の利益を追うのではなく、特に社会的弱者に手を差し伸べることが出来る力のことを「強くて優しい」と表現されていたのです。子供たちにとってランドセルは、小学生という大人への第一歩の象徴であったり、自分だけのモノを選ぶ初めての機会であったり、特別なモノなんだと思います。ランドセルを背負って通学することが当たり前のように感じておりましたが、実は協和さんのような企業が、その機会をすべての子供たちに平等に与えてくれていたのだ、と気付かされました。

 私たちは一人で生きているのではなく、関わるすべての人たちに支えられ今があります。そのすべての人たちを幸せにする場所のひとつに、正しい経営をする企業が存在しているのだと思います。そこでただ働くのではなく、誰かに喜ばれるため、お役に立つために存在しなければなりません。これからも多くの素晴らしい企業に触れ、優しさあふれる感動サービスを提供できるよう学び続けなければならない、と強く思いました。

 人財塾3期生のブログはまだまだ続きます。今後ともよろしくお願いいたします。

人財塾3期生 株式会社さくら住宅 長谷川 彬 

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